Masayuki Kojima
@myrskj
2026年10月6日
博士の愛した数式
小川洋子
読み終わった
阪神と聞くと、子どもの頃を思い出す。小学生の頃、阪神ファンだった。1985年、ぼくがルートより少し年下くらいの年齢だった頃、阪神には真弓と掛布とバースと岡田がいて、ゲイルがいて、日本一になった。強かったからか、ユニフォームか、あるいはマスコットが虎だったからか、理由は覚えていないけれどぼくは阪神が好きになり、岩井くん家の外壁を使って毎日壁当てをしていた。壁当てをしていたのはぼくととおるくんで、壁の持ち主である岩井くんはいなかった。小学三年の夏から冬にかけて、ほぼ毎日放課後に壁当てをしていたのではないか。岩井家の人たちには申し訳ないことをした。
ぼくのお気に入りは池田投手だった。左利きだったので、左投げのいいピッチャーがいればその選手を好きになりそうなものだが、おそらく気になる選手がいなかったのだろう。右投げの池田投手を好きになって、投球フォームを真似して投げていた。阪神にいい左腕がいたらいいのにと思っていた。
阪神で左投げといえば、当時も江夏だった。もう江夏は阪神にいなかったけれど、雑誌の阪神特集などで必ずといっていいほど江夏が取り上げられていて、阪神ファンになる過程でその存在を知った。背番号28の江夏は、子ども心になんだか怖そうで、おいそれと真似できるように思えなかった。だから知ってからも、江夏に鞍替えせずに池田投手をお気に入りにしたままにしておいた。
翌年以降、阪神は急速に弱くなった。ぼくは関東住まいだったので、まわりの友だちに阪神ファンは少なかった。ファミスタ(燃えろプロ野球でもよい)で阪神を選ぶとき肩身が狭い思いをしていた記憶がある。まわりは西武ライオンズか巨人を選び、メッタ打ちにされた。弱いのは阪神のせいだけではなく、ぼくが下手だったのも大きいけれど。
阪神と数学からこんな小説が書けたら、作家冥利につきるのではないか。

