たま子 "長い一日" 2026年10月4日

たま子
たま子
@tama_co_co
2026年10月4日
長い一日
長い一日
滝口悠生
窓目くんが電車に乗りながら『茄子の輝き』の主人公と自分を重ね合わせ、びっちゅうと口にしてボックス席の向かいに座った美容師の草壁さんとそして飲みたいと思ったビールのロング缶が窓辺に現れるという、その妄想とも現実とも物語ともいえる瞬間は、自分が半分目覚めている自覚をもちながら何度も夢をみているときの眠りのあわいのそれにとても似ている気がして、ということを考えながら、ああ滝口悠生さんの文章に引っ張られて一文が長くなる……自分の経験にはない物語のなかのそれが、まるですべて自分の経験のように思えてくることはよくあって、気づけばあらゆる生を生きていて、気づけば自分の考えのようになり、気づけば身に宿している、その物語の効用がわたしはだいすきなのかもしれない。この本は意識の流れそのものを読んでいる感覚になるので、自然とこちらも脳内の独り言が多くなるらしかった。
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