
服野すみ
@fukuno_sumi
2026年10月5日
わたしたちが光の速さで進めないなら
カシワイ,
ユン・ジヨン,
カン・バンファ,
キム・チョヨプ
読み終わった
YouTube で見て、宇垣美里さんのおすすめで心に残っていた本。
初めての韓国SFでした。
1話1話の世界観が良くて、のんびりじっくり読んでました
・巡回者たちはなぜ帰らない
友人に宛てた手紙から始まって、どういう風に着地するかわくわくしながら読めた。差別もない完成された世界には恋愛がなくて、不完全に立ち向かう世界には愛がある。皮肉だけど好きな考え方だったな。リリーがヒト胚施術で散々消してきた他人の命のもともあったろうに、自分のクローン胚に皮膚疾患があっても廃棄できなかったの、すごくエゴで人間的でよかった。
・スペクトラム
色彩が言語の場合、一緒に見ている景色も違って見えるかもしれないのが面白い。研究ノートを記憶媒体として何世代にも引き継がれて同じ「ルイ」になっていくのが不思議で、でもそれがいいな。きっと「美しい」と思う感性は同じだったんだろうな
・共生仮説
人間の知性は、赤ちゃんの頃に脳内で地球外生命体が共生し育てていたのではないか、という仮説。その経緯も含めて浪漫がある…好きな話だ…。研究に行き詰まったスビンとハンナが「赤ちゃん……」「複雑で、深くて、哲学的な赤ちゃん」って頭かきむしってるところシュールで面白かったな
・表題作
お互いの身分を探りながら宇宙ステーションで話していく2人。いくら技術が開発されても時代や大きな力には敵わないこと、それでも選んだ道は後悔しないものではないか。
「わたしたちは宇宙に存在する孤独の総量をどんどん増やしていくだけなんじゃないか」
・感情の物性
SFあるあるなのかもだけど、現実で可視化できないものを物質にするの面白いよね。様々な感情が『物』としてあってほしいのは、自分以外の誰かにもこの気持ちをわかってほしいという気持ちもあるのかな。でもジョンハたちのように分かり合えないのも現実。
「なぜネガティブな感情も欲しがるのか」という質問の答え「一遍の映画があなたに与えるのは、いつも楽しさだけでしょうか?」になるほどなぁ!となった。好んで気持ちが暗くなるような小説を読んだりするものな。人間、面倒な生き物すぎる
・館内紛失
故人の「マインド」を図書館で管理する世界。「魂」は自我として成長し続けるもの。だからマインドは亡くなった時点でのコピーであって、剥製にされた魂に過ぎない、と。
亡くなった後にマインドと構築された関係性はどういう扱いなんだろう、会うたびにリセットされるのかな。
・わたしのスペースヒーローについて
宇宙ワープに耐える身体にするため、人体を作り変えるまで行くと「そこまでして行きたい場所」とはになっちゃうな…。ご飯も美味しく食べたいよ。
