
鈍獣
@whale_in_da_room
2026年10月7日
読み始めた
“ 小松は煙草をはさんだ手を上にあげた。「天吾くん、こう考えてみてくれ。読者は月がひとつだけ浮かんでいる空なら、これまで何度も見ている。そうだよな? しかし空に月が二つ並んで浮かんでいるところを目にしたことはないはずだ。ほとんどの読者がこれまで目にしたことのないものごとを、小説の中に持ち込むときには、なるたけ細かい的確な描写が必要になる。省いてかまわないのは、あるいは省かなくてはならないのは、ほとんどの読者が既に目にしたことのあるものごとについての描写だ」”