
umeco
@u_meco
2026年10月6日
ハーモニー新版
伊藤計劃
読み終わった
長らく読みたいと思っていた作品
『わたしはわたしである』
という鏡写しの意識、それが消滅して全てが溶け合った世界が果たして幸せなのかユートピアなのか。
病気をすることもなく痛みを知ることもなく、常に優しい世界。
ユートピアと紙一重なディストピアな世界。
社会に押しつぶされそうな魂が、他ならぬこの社会を蝕みつつあったのだ。
社会にフィットすることのできない魂が。
病を求め、苦痛を求める子供のたましいが。
何よりも尊重されるべき生命を、悪意を以て傷つけるというその明確な意思によって。この社会の何かが間違っている。人々は心の底では少しずつそう感じていたけれど、それは口に出す閾値にまで達していなかった。わずかな違和感は、全力で意識の下に押しこんでいたからだ。(p259)
心と魂のありかたを考えてしまう、何度でも読み返したくなるような一冊だった、



