
よふかし@暇人
@yohukashi_0124
2026年10月7日
夜のピクニック
恩田陸
読み終わった
読み終わりました。
読み終わったばかりなのに、今すぐもう一度読みたいと思わせられる小説。
貴子の賭けは自分が思っていたものとは少し違って拍子抜けしちゃった感があるけど、貴子からしたらとても大きな賭けでそれに勝てたことが自分ごとのように嬉しかった。
歩行祭っていう一見、ただ歩くだけの学校行事が実は学生たちからするとすごく特別なことで、その最中だからこそ、いつもとは違う行動が取れたりする点から青春を強く感じた。
融が甲田親子に対して嫌悪感を覚えていたのは、甲田親子がかっこよかったからだと言っていたところから、融自身はかっこいい甲田親子のことを許せるような寛大な心を持って接することができるような人間になりたかったんだろうけど、現実的に考えてそれはとても難しいことで、必ずそうする必要もなくて。でも甲田親子を恨んでる自分に対しては無条件で悔しくなってしまう悪循環から、複雑な人間関係に立ち向かいながら生きる難しさを感じた。
「恋に恋してる」と「恋人に恋している」の違いについても考えさせられた。
この境界線はとても曖昧なものだけど、前者のような態度が明らかに浮いて見える人はその相手にとってすごく不誠実なんじゃないかって思った。亮子が実際どうだったのかわからないけど、融が自由歩行の時に感じていた亮子への怒りは共感しかなく、忍と美和子の台詞を頷きながら読んでしまった。
榊姉弟はこの物語のアクセント?というのか、大切なところによく出てくるイメージがあった。杏奈は見事に一年越しのおまじないを成功させていたし、順弥もアメリカ人らしいネタバラしをしてくれて、後半は読む手が止まらなかった。
融が最後に未来のことを想像している場面は、歩行祭前には感じられなかったノイズをしっかり受け取っている証拠とも見れて、人間ってこんなに簡単なきっかけで変わることができるんだなって思った。

