
桃木綿
@momomomen
2026年10月6日
丕緒の鳥 十二国記
小野不由美
買った
読み終わった
恥ずかしながら、シリーズ全部買っていながらこれだけ積んでたのをやっと読んだので…。
「王とか麒麟が出なくて暗い話か〜うーん」という幼稚な理由でパスしてたの、本当もったいなかった!
同じこと考えてる皆さん、もったいないですよ〜〜!
1.表題作
「鳥を射って、割れる」ことへの蕭蘭の答えがとても良い。死からの再生という、あの世界の感覚とも合うんでないだろうか。
この短編集の他の作品を読んでからまた思い返すと、丕緒が作ってきた悲しくて辛い鳥達は何にもならなかったんではなく、悲しく辛い方向へと王朝を一歩呪ってしまっていたのかもしれないな、とも思った。
2.
死刑の是非を問う思考実験のような一編。
「経済的な制約から終身刑は無い」「王の意向、天の意向というファクターがある」という点で、蓬莱とまったく一緒では無いものの、ほとんどこちらでも同じ議論となるような。
死刑執行は「改心することのないけだものが、この世には存在する」という表明になり、その逆は「あまねく全ての人間の善性を信じる」というメッセージになる。
柳が手放したのはそれなんだろうな。
劉王、何考えてるんだろうなあ。国を息子に継がせたかったのかな。そんでお膳立てするだけして、そこで詰んじゃったとか?
完全に妄想だけど、国の礎を作って禅譲する気だったが「同姓の王は連続しない」ルールを知って嫌になっちゃった、とか。
3.
主人公の手を完全に離れ、何が何だかまったくわからないまま意思が汲まれている決死のリレー。
荒廃した人心を王が照らしてゆく、お膝元から国への期待が広がっている、というのはこういうことなのだろうな。
最後に託された「話のわかる新しい地官遂人」とは帷湍で、民とも直接話すほどに低い身分だったんだなあ。そこから、彼は特権が与えられていて禁門も通れるし王の側近をしている。このショートカットはすごく大きいだろう。
思わずこの辺の確認のために海神引っ張り出しちゃった。尚隆の采配がまさに効いているんだね。最高。
国中の里木に実がなるようになったら、今度はまた標仲の仕事になるんだろうね。頑張って欲しい。(と、500年前の話にいうのも不思議だけれど)
4.
陽子即位ではじまり、陽子即位で締め。
社会不適合な学者達と、慶の荒波に揉まれた聡くて頑張り屋の女の子と、自然のなかの生き物達。
4編の中でもいちばん繊細な話なんじゃなかろうか。
偽王即位については態度を濁しつつ、新王即位は確信するのは科学者らしいなーって笑っちゃった。悪魔の証明って難しいんですよね。

