コマユミ "ババヤガの夜" 2026年10月8日

ババヤガの夜
冒頭からこの作者によるキャラ設定の秀逸さにヤラれてしまう。 これは反則級だ、と思えるほど魅力的な主人公、新道依子。 ひたすら暴力にまみれたこの新道の無茶苦茶なキャラクターが男どもを殴り蹴りながら駆け抜ける。 物語は彼女が突如不本意ながらも、ヤクザの親分の一人娘の警護をやらざるを得ない展開から始まる。 次々と襲いかかる暴力、暴力。スピード感あふれる筆致が小気味よい。 そしてまさかの、意外な叙述トリック。まんまと騙された。流石。 今回ダガー賞を受賞して、一気に有名になった本書だけれども、やはり賞の権威というものは侮りがたい。自分ももしこの賞のことを聞かなければ手に取らなかったかもしれない。 そういう意味で、今回の芥川賞、直木賞が共に該当なしというのは出版会にとってはとてもとても残念なことだったなあ、と改めて思うのだ。 2025/07/25
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