
Ropa
@Ropa_28
2025年6月21日

カフネ
阿部暁子
買った
読み終わった
#読了
カフネ/阿部暁子
わたしにとってお守りにしてずっと心の本棚に置いておきたくなる1冊になった。
本屋大賞で取り上げられなければ手に取る事もなかったかもしれないと思うと、本屋大賞にノミネートされた作品の数々がたくさんの書店員さんの想いでこうやって色々な人に届けられているんだなと別の意味でも感無量でした。
最愛の弟春彦が突然死してしまった薫子。
その弟の元恋人せつな。
弟が残した遺言書に導かれるように交わる2人の人生と、家事代行サービス「カフネ」を通して出会う様々な人との交流。
不妊治療、夫との離婚を経て抜け殻のようになっていた薫子の心に、ぶっきらぼうで無愛想な料理人せつなの見た目とは裏腹に繊細で温かい手料理が沁み込んでいく。
身動きできない程傷付き疲れ果てた人々は、一歩すら踏み出せず暗い部屋でうずくまっている。そんな人々の背中をそっと押して一歩だけ進む力を与えてくれるのが美味しいご飯なんだな、と思った。
本当に読んで良かった。

