鱗拾い "スモールワールズ" 2026年10月9日

鱗拾い
@urokohiroi
2026年10月9日
スモールワールズ
「花うた」を再読した。 十二国記の「落照の獄」を読んだときに、いずれ読み返そうと思っていた。 「落照の獄」で、大勢の命を奪って反省しない(と自ら宣言しさえする)狩獺は、ケダモノと呼ばれる。 それを読んだとき、「でも、“反省する”って何だろう?」と思わされる短編をかつて読んだことを思い出した。 その短編が「花うた」で、この短編集の中でも一番記憶に残っていた話だった。 傷害致死の加害者・秋生と、被害者(の妹)・深雪の往復書簡。 秋生は狩獺とは違って、何が悪くて、何が反省で、何が償いなのか、わかりたい気持ちはあるのにわからなくて懊悩している感じに書かれている。 だから、狩獺の話を読んで秋生を思い出したというと秋生に可哀想な気もするけれど、そこが接続したのは多分、「反省とは」の答えが私の中で出てないからなんだろう。 と言っても、答えが出るようなものでもなくて、問いを立ててしまったが最後考え続けないといけない類の問いな気もするけれど……。 「花うた」を再読しても答えは出なかった。 それよりも、大筋の展開を知っているので却ってストーリーに没入してしまって、文体が変わったところから終わりまで「短編でそんな泣く?」っていうぐらい泣いてしまった。 初めて読んだときは確か人目があったのでどうにか耐えたことを思い出した。 「花うた」は坂上香監督の映画『プリズン・サークル』を参考に執筆されていて、『スモールワールズ』を初めて読んだときはその流れで、坂上監督の著書『根っからの悪人っているの?』と『プリズン・サークル』(書籍のほう)を読んだ。 そこから派生して更に読みたいと思っていた本も何冊かあったのだが、そのときは興味が他へ移ってしまったので読まず仕舞いになっていた。 「落照の獄」を読んだときにそれらの本をまとめ直してリスト化したので、少しずつ消化していきたい。
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