
きらた
@kirata
2026年10月9日

残穢(ざんえ)
小野不由美
読み終わった
再読
こちらの帯は無事当時のままです、記念にぺたり
少し前に思い立って(!?)ゴーストハントシリーズを再読し、その後十二国記の新刊(幽冥〜)も読んだので、“そうだ、今年はこのまま〈小野不由美作品再読祭〉をしよう”と思ったので、精神的敷居の高そうな本作を読む前に『鬼談百景』を再読し、読む気合を入れてから『残穢』再読を致しました
九十九話収められた『鬼談百景』
そしてこの『残穢』が百話目にあたるとかナントカ(諸説あります???)
『残穢』の中で、主人公である作家が連載しているのが『鬼談百景』であり、そこに収録されているいくつかの作品は『残穢』でも触れられているので、再読するならなるべく同時期にとの考え
昔読んだ時も『鬼談百景』→『残穢』との順でした
因みに『鬼談百景』は数回読み返しましたが、『残穢』は1回読んだ後、カバーをかけて本棚の隅っこに隠すように置いたきりで、記憶が確かならば今回が初めての再読
‥‥だって、怖すぎてタイトルすら見たくなかったし、でも『鬼談百景』と繋がってる話だから手放したらいつか後悔すると思ってぇ(っω<。)
‥‥長い自語り、失礼しました
転居したマンションの一室
新しく暮らし始めたその部屋が──おかしい
そんな相談を受けた作家は、話を聞くうちに何処かで似たような話を聞いたと気付く
それは、昔貰ったファンレターのひとつ、怖い体験談を募集した頃の手紙の中に、書かれていた話と酷似しているのだ
住所を調べてみるとそれは相談者と同じマンション
──しかし、部屋番号が違う
何処か不思議に思い、相談者と作家は各々出来る範囲で調べ始めたのだが、次第に数々の怪現象に行き当たりはじめる
一体この奇妙な連鎖は何なのか?
この、次々繋がっていくような不思議な出来事(優しい言い方)が非常に恐ろしく、読み進める毎に、物語と現実の境目が溶け合う感覚に包まれて行く
当時モキュメンタリーとの言葉がなかったのかは覚えていないが、作中の作家が小野不由美を描いているように見えて(それを狙って書いているのだけど)、ドキュメンタリーに近い感覚を持って読んでいたのも、怖さを増加させるファクターとなっていたのだろう
穢れが増幅される、穢れが付いていく
ひたひたと広がる闇が恐ろしく、しかし目を逸らすと(=読むのを止めると)それが想像力の名の下に増幅され、更に恐ろしく感じられて、結局は“きっとどうにか決着がつくはずだ”と信じて、怯えながら読み進めるしか出来なかった
今回は、以前読んだ時よりも怖くは感じなかったが、相変わらず不安で嫌な‥落ち着かない気持ちになる作品だとは感じた
そしてやっぱり、カバーをかけて目が届きにくい奥に仕舞い込んでおきたい(前より怖くは感じなかったけど、怖いものは怖いんだよ!!!)
さておき←?
前回と当時とで異なる点は、作中に書かれている平山夢明の存在でした
初読時は知らない人だったのですが(申し訳ない)、今回の再読時には“平山夢明がホラー作家である”との知識を得ていました
得ていた、と言うか、第57回日本推理作家協会賞の『独白するユニバーサル横メルカトル』が気になったので、同タイトルの短編集を読んだのです(去年の10月に)
‥‥‥‥表題作はさておき、物凄い衝撃を受け、且つ慄いたえげつない(!?)ホラーでした、とだけ書いておきますね
そんな訳で、“ここで出ている平山夢明ってあのホラー作品を書いていた人か!”と、視界が一歩開け、より『残穢』の世界に近付けた気になれました
あ、いや、怖いので近付きたくはないのですが←アッ
自語り多過ぎですいません
直接的な恐怖を楽しむ(!?)ホラーではなく、薄っすらとした恐ろしさが次第に忍び寄って来るようなホラー、との感じでしょうか?
描かれる物語としては終わりを迎えても、実は何も解決していない
それが故に、本を閉じた後も“それ”がこちらに侵蝕してくるかのように感じられる
──本すら怖い
表紙が、ではなく、本の存在そのものに恐怖を抱く
私にとって『残穢』とはそんな作品でした



