
Ayako
@aya_rb
2026年10月10日

本のおかげで暮らしていける
津村記久子
読み終わった
また読みたい
寝る前に開いては、この本読みたい、となったり、きっとこれは津村さんのあの作品のテーマともつながっているのでは……と、つい本棚の津村記久子作品を読み返しそうになりながら読み終えた。
一冊を除いてすべて津村さん自身の選書。読み始めの感想にも書いたけど、最初が『最低限のポートフォリオ 1日2ドルで暮らすということ』という本なのが、さすが津村記久子、唸る。生活、ということなのだ、と思う。この「生活」というニュアンスの説明がすごく難しいんだけど、高尚すぎない、観念的すぎない、でも「地に足ついた」という手垢のついた表現では括れない、混沌として、しかし淡々とした「生活」そのもの。そして最後が橋本治の『人はなぜ「美しい」がわかるのか』なのがまたすごい。最後の三冊は、なんか畳み掛けてくるような選書だった。給水塔、ビル、フォーク等、人が作り出したものに関するものへの関心も、津村さんらしいし、どれも読みたくなった。本のおかげで暮らしていける、ほんとその通り。
この津村さんのバランス感覚というか、俯瞰しながら足元を見ている感じ、うつくしいものを愛でながら、しっかり冷蔵庫の中身のことも心配する感じ。資本主義への懐疑も見える。歴史を見つめながら、自分の加齢のことも忘れない。過去の社会と現代の社会、女性や子ども、貧困について。通勤の地獄にしみじみしながら、退屈に思いを馳せる。それが生活することだ!と思ってしまった。読書案内であると同時に、社会で暮らすうえで立てておくべきアンテナの種類とその磨き方の指南書のような一冊。(ちょっと津村記久子風に締めてみました)









