
704h
@704h
2026年10月10日

ぼくのシェフ
西村ツチカ,
長谷川 まりる
読み終わった
読み終わった。うう。誰かワサビ入れましたか?
全体的に死の匂いがしていて、主人公の二人の少年はイライラしているのと可愛げのないのとで、鬱屈とした空気がずっと流れている。読んでいて辛い箇所もあって、中断しながらもゆっくり読んだ。
マイナスからのスタートで、今やっとゼロ。というか最後に至ってやっとスタートを切れたのだけど、意外とよくあることなのかも。人が苦しんでいる事って隠されがちなので中々周りに伝わらない。知るのは終わったあとだったりする。その苦しみの伝わらなさや孤独さは『杉森くんを殺すには』でも描かれていたように思う。難しいテーマだが、安易な答えを出さない姿勢が素晴らしいと思った。
料理は栄養を摂ることか目的だけど、それ以上を求められがちだ。より美味しくしたり、綺麗に盛り付けて誰かを喜ばせたり。料理を題材にした作品だとそちらに向かいがちだが、そもそもの「栄養を摂る」ことに立ち返るようなストーリーになっていて、児童文学作家の矜持を垣間見た。怪我や病気だったりでうまく食べられない人も沢山いる。弱いときの気持ちに寄り添うような、かまくらで食べるお雑煮のような、滋味に溢れた小説でした。
