
talia
@talia0v0
2025年4月11日

DTOPIA
安堂ホセ
読み終わった
借りてきた
デートピアという名前ではあるがデートピアが本題ではないと読み終えるまで気付けなかった。
以下ネタバレです。
物語は(デートピアのエンタメ的な結末は序盤の方で明かされるにもかかわらず)、読者を突き放したような中間地点で終わりを告げる。それはまるで彼らの物語がこれからも続いていくと暗にも明にも示しているよう。
「若気の至り」とするにはショッキング過ぎやしないかというエピソードがカラッとした口調で語られ、クィアとミックスルーツの“属せなさ”、クィアでもミックスルーツでもないマジョリティの“属させなさ”に鋭く切り込んだ後で、「まぁそれでも私たちは存在しているし、生きていくんで」と言いたげに物語を去っていく登場人物たち。あの砂浜に取り残された、“いらない”と判断された宝物は私たち読者ではないかと思うほどあっさりした終わり方だった。
レイシズムやナショナリズム、エスニシティについて語るとき「日本人は自分たちがマイノリティであるアジア人ではなくまるで白人の一部のような考え方をする」と批判されることがある。序盤「白人たちの懺悔ショーであれば今まで通り白人ばかりが中心にいても問題視されない」という一文を読んだ時、無性にそわそわしてしまって、自覚して意識していたはずなのにまだまだ内面化しているものがあると気付かされたような気まずさを感じた。
