
いちのべ
@ichinobe3
2026年10月11日

毒殺村 二〇世紀最大の「夫殺しカルト」
ホープ・リース,
広瀬恭子
読み終わった
(自分自身が、ソレにまんまと引っかかった下衆な人間ではあることは前提として)読了してみると、あまりにも扇情的かつ露悪的な邦題であることよ!としみじみ。
原題の『THE WOMEN ARE NOT FINE』の方が、この本で伝えようとしているテーマに合っているよなあ……。
> 女たちは元気ではなかったが、ひとりきりでもなかった。(p184)
ナジレーヴの女たちが置かれていた過酷な状況を知れば知るほど、そこから逃れ、「自立」するための唯一の手段として垂らされた蜘蛛の糸である毒殺を選択することを、非難する気持ちにはなれなかった。彼女たちが追い詰められた原因は本人にはなく、国勢や戦争、村の貧困、そして「女」が二流市民として扱われていたことがあまりにも大きい。宗教も福祉も機能しない環境で、ほかに「救済」の手段があったのだろうか。確かに殺人は悪かもしれない。じゃあ、ナジレーヴの女たちは毒殺を選ばず、戦争で負傷して働けなくなった、酔っ払って暴力を振るう夫に殴られながら、家庭を守るために働き続けて死ぬべきだったのか?だが倫理的な市民として、殺人を肯定するわけにはいかない。じゃあ自分が当時のナジレーヴに女として生まれていたら、毒殺を選ばないと言い切れるか?問いは尽きない。




