山羊子 "遠慮深いうたた寝" 2026年10月13日

山羊子
山羊子
@yagiko_kari
2026年10月13日
遠慮深いうたた寝
「ショパンと少年」「幸福な彼ら」「世の中の事情」「業務日誌」「ただそこに、いてくれるだけで」「涙もろい」「川と私」「フーヴォー村の小学校」「他人の記憶を自分の物語に」を読んだ。ぱらぱらとめくって気の向いたものだけ。 私の使っている言葉と同じものとは思えない、言葉に輪郭があり実体があり、影も光も匂いも風もある。すばらしいな、と、私は何にもできていないな、の半々。東京の商業ビルの休憩室の一席で、ああ私何してるんだろう一体、と思う。 はじめて小川洋子の小説を読んだのは大学の友人にプレゼントとして貰った時。正直なところ好きになれなかった。そんなこと起きないでいいのに、と愕然としたわりに内容はあまり覚えていないのだが、私の中に無かったどろりとした感情に触れて、薦めてくれた友人の中にもあるのだろうか?と想像して少し距離を意識してしまったのを覚えている。 あれからもう十年近く経ち、別の友人と京都の本屋に入って選んだこの本を、東京に持って帰ってからも楽しんだり勝手に落ち込んだり、感傷に浸ったりして、遠いところにきたなあと思う。私は変わった。小川洋子の本を自分から読めるようになった。それはとても良い変化だと信じている。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved