
はる
@tsukiyo_0429
2026年8月29日
ゲーテはすべてを言った
鈴木結生
読み終わった
私の興味関心と合致しており、最後までとても楽しく読んだ。
作中には大量の引用と名言が出てくる。
あとで調べてみようと思い、付箋を貼りながら読んだのだが、その行為自体がこの作品と繋がっているように感じた。
現代に伝わってくる段階で、作られた物語が付随してきたものは多いと思うが、それをはっきりと「間違いだ」と言いきることはできないような気がしている。
何が正しくて何が正しくないのかを、本当の意味で確める術など、現代の我々には持ち得ないのではないかとも思ってしまう。
(それを突き止めるのが研究者の仕事、と言われるかもしれないが)
その付随した物語には、「そうだったらいい」と、当時の人々の願いが入っているように感じる。
現代に生きる、研究者でもない私は、それをそのまま受け取ってもいいのではないか。
作中に登場したゲーテの手紙も、結局本物かどうかは明確には分からない。
書かれていた言葉も、ゲーテのものではないかもしれない。
しかし、あの言葉を信じることで生まれた想いや出会いは確かにあり、それにとても胸を打たれた。
ただし、「伝承による逸話の変化」と「捏造」は区別したい。
この作品を読んで、その境目の不安定さ、危うさを改めて感じた。
