
ジクロロ
@jirowcrew
2026年10月14日
精神の生態学へ(下)
グレゴリー・ベイトソン,
佐藤良明
読んでる
「変われば変わるほど同じまま」とはフランスの諺にいうところだが、生物学的・生態学的システムを見ていく場合、その逆命題の方が当を得ているようだ。すなわち「一定であればあるほど、多くが変化している」。ある変数の恒常性を、他の変数が変化することで維持するということだ。
……
学習の現象にも、社会の変化にも、同じ論理が当てはまるだろう。どちらにおいても、なんらかの記述命題を「真」に保つために、他の命題が変化し続けている。
(p.206)
命題の「真」を保つ、その延長線上に「秩序」が準備される。
秩序の維持には物質とエネルギーと絶えざる流動が必要となる。これらの変化(変換)により秩序が保たれる。
例えば、ある国家のアイデンティティを守るために、どれだけのひととものとエネルギーがこれまでに費やされてきたのか、ということを考えると、いい意味でも悪い意味でも死ぬ気でそれを維持しようとする。
「なんらかの記述命題を「真」に保つために、他の命題が変化し続けている。」
この総決算を「犠牲」と呼ぶところに、ナショナリズムの萌芽、歴史のはじまりがあるのではないか。

