
Satomi
@satomiww
2026年7月16日
反ミーム部門は存在しない
qntm,
鳴庭真人
買った
読み終わった
人生で読了したSFホラーの中でも、本作は最高峰と称される理由がわかった。わかってしまった。
学生時代にはSCPを題材にしたゲームをプレイしたり、SCP財団を読み漁ったりとかなり没入していたこともあったけれど、それこそqntm氏が連載を開始した辺りで熱が冷めたように見なくなってしまった。そこからかなりの年月が経過した今「あれ、このタイトル見たことあるな」と軽い気持ちで手に取った結果、読み進める手が止まらず、夢中になって読んだ。
「ネットミーム」として日々数多の言葉や映像が拡散されていくことが当たり前のSNS時代で「反ミーム」と言う“自己隠蔽する概念”とどう戦うのか、人間の精神からその存在が“こぼれ落ちて”しまうだけでも恐ろしいのに、相手を認識をするだけで自分自身と記憶に干渉され死に至る脅威からどう逃げ切るのか、わたしの矮小な脳味噌では考えるだけでも絶望してしまうだろう。
今こうしてわたしが好きな本を読み、平穏で充実した日常を送れているという認識は、本当に正しいのだろうか。この世界で人類が知覚できている範囲なんて、一体どれほど少ないのだろうかと、何度も、何度も考えさせられた。
それでも、これは想像を絶するほどに悍ましくて、苦痛に満ちていて、ロマンティックで、美しい愛の物語だった。マリーのように強く、アダムのように深く、パートナーを愛する姿にかくありたいと思わされながらも、胸が引き裂かれるように苦しい。サンシャインだいすき。
人類が好奇心により絶滅へと追いやった巨獣が、人類にとって最恐の蜘蛛の天敵として生態系が巡っていく。その皮肉すらも美しいと感じるラストシーンだった。