
Jenの日常
@jennonichijo
2026年10月15日

光と糸
ハン・ガン
読み終わった
10/15
読み進めるうち、庭の話で、「鏡を使って光を集める」ってのは、執筆に対するある意味メタファーのような気がしてきた。
重い歴史を過去のものとはせず、抱え続け、執筆を通して傷ついた人に心を寄せる。その「執筆すること」=「鏡を動かす」的な。
時代は常に動き続ける。自転を止めない地球のように。その地球の動きを読みながら、合わせながら、光をあてる。
なにもしなければ、陽当たりの悪い場所で植物を育てるのは難しい。そこに鏡という手を加え、どうにか命を育もうとする。
ブルーベリーなどの実のなる木は枯れてしまったし、ハダニを駆除しようとした事で、クモのような益虫までいなくなったりもした。そういう試行錯誤も筆者にとっての執筆に似ている感じがした。
どんどん死に向かって肉薄していき、時に危うさまで感じた前半に対し、後半の庭の話は生の要素が加わり世界が色鮮やかになっていくのを感じる。
読み終えた今、ハン・ガンという人は、生と死を行き来しながら、生々しい死が歴史に埋もれないよう寄り添い続ける人なのだろうな、と思った。

