
白玉庵
@shfttg
2026年10月17日
サキの忘れ物
津村記久子
読み終わった
読み終わっちゃって、ちょっと残念。最後に装丁をよく見ると、作品中に出てきたものたちがそっと描かれていて、安野光雅の絵を見ているような楽しさがある。カバーをとったらまた違う趣向があるのかな。ISBNのバーコードまで絵に溶け込んでいて美しい。
「サキの忘れ物」をA面1曲目に例えたところで、なんだかこの本はビートルズのリボルバー感があると思い始めた。ビートルズ、一言たりとも出てこないのに。
特に好きなのはこの3作。
・サキの忘れ物
・河川敷のガゼル
・隣のビル
どれも、いまのなにかよくない状況から、ちょっとしたことでドアが開くような話なのが好きなのかもしれない。この文章のような。
確実に職場の外に世界にがあり、そこで人が生活していることを間近に感じられるだけでよかった。 p214
他のものとあわせて、とてもいいセレクトだった。
なんていうか、無意識なジャイアニズムなのよ、と女性はにこりともせずに述べた。
p86
世の中には動線に関する想像が一切できない人が、そう少なくない人数いるということは知っている。 p112
こういうところ、「はー…」と感じるポイントが近くて的確にテキスト化されるところが読む快感だ。
隣のビル、神戸の1003が入っている美しいビルを思い出した。









