
みー
@mi_no_novel
2025年4月12日

慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー
北沢陶,
恩田陸,
有栖川有栖,
櫛木理宇,
背筋,
貴志祐介
読み終わった
@ 電車
・有栖川有栖「アイソーレテッド・サークル」
〜霧に閉じ込められた学生たちの悲劇
トリッキーでとっても面白かった。まさに、スティーブン・キングの「ミスト」のような雰囲気だった(もうちょっと軽いかな)。生真面目な学生たちの会話も面白い。ラストで、彼らはアイソレーテッド・ワールドから抜け出せたのか?
・北沢陶「お家さん」
〜大阪の商家で聞こえる、恨めしげな声とは?
時代物。少しグロテスクだった。歴史小説に慣れていないこともあり、読み始めは文体に慣れなかったけれど、転がる展開に引き込まれてすぐに慣れた。『をんごく』も読んでみたいな。
・背筋「窓から出すワ」
〜集められた怪談から導かれる真相
やっぱり最恐でした。これを目当てに読んでいた。ラストのページが白紙になっているのが怖すぎる。何かが見えてしまうのではないかと思って、薄目で読んでいた。上條一輝『深淵のテレパス』とは対極にあるお話だなと思った。理由の分からない事象が一番怖いよね。
・櫛木理宇「追われる男」
〜あなたを追いかける謎の男
アクションシーンが面白かった。謎の残るラストも良かった。FPS視点で進んだので、臨場感があって新鮮だった。ヒトコワ系。
・貴志祐介「猫のいる風景」
〜姉の自死を怪しむ妹と叔父の心理戦
心理戦がすごく面白い。ホラーとは違うところで、キドキハラハラしながら読んだ。おそらく猫に食われる?ラストが恐ろしすぎる。想像しただけで鳥肌が立った。その後が描かれていなくて本当に良かった。
・恩田陸「車窓」
〜車窓から見える看板が導き出す恐怖
このお話だけ、一度読んだだけではラストが理解でドきず、解説を見た。ふんわりと不気味な読了感が残った。恩田先生はやっぱり文体が優しい(易しい)分、ストーリーの不穏さが際立っていた。

