慄く 最恐の書き下ろしアンソロジー

17件の記録
- amy@note_15812025年8月23日読み終わった感想角川ホラー文庫30周年記念アンソロジー第3弾『慄く』。有栖川有栖、恩田陸、貴志祐介ら豪華作家陣が集結し、異なる切り口で「最恐」を描き出す一冊。 北沢陶さんはしっとりとした時代物の趣がありながら、確実に恐怖を刻み込み、恩田陸さんは怪異も人外も出ないのに、言葉の積み重ねだけで背筋を冷やす。 櫛木理宇さんの一篇は真っ向から怖く、しかも霊的ではなく“フィジカルに強すぎる存在”で迫るのが鮮烈。物理的強さがここまで効果的に恐怖になるとは…。 多彩な恐怖の形を堪能できる、満足度の高いアンソロジーでした。
- みー@mi_no_novel2025年4月12日読み終わった@ 電車・有栖川有栖「アイソーレテッド・サークル」 〜霧に閉じ込められた学生たちの悲劇 トリッキーでとっても面白かった。まさに、スティーブン・キングの「ミスト」のような雰囲気だった(もうちょっと軽いかな)。生真面目な学生たちの会話も面白い。ラストで、彼らはアイソレーテッド・ワールドから抜け出せたのか? ・北沢陶「お家さん」 〜大阪の商家で聞こえる、恨めしげな声とは? 時代物。少しグロテスクだった。歴史小説に慣れていないこともあり、読み始めは文体に慣れなかったけれど、転がる展開に引き込まれてすぐに慣れた。『をんごく』も読んでみたいな。 ・背筋「窓から出すワ」 〜集められた怪談から導かれる真相 やっぱり最恐でした。これを目当てに読んでいた。ラストのページが白紙になっているのが怖すぎる。何かが見えてしまうのではないかと思って、薄目で読んでいた。上條一輝『深淵のテレパス』とは対極にあるお話だなと思った。理由の分からない事象が一番怖いよね。 ・櫛木理宇「追われる男」 〜あなたを追いかける謎の男 アクションシーンが面白かった。謎の残るラストも良かった。FPS視点で進んだので、臨場感があって新鮮だった。ヒトコワ系。 ・貴志祐介「猫のいる風景」 〜姉の自死を怪しむ妹と叔父の心理戦 心理戦がすごく面白い。ホラーとは違うところで、キドキハラハラしながら読んだ。おそらく猫に食われる?ラストが恐ろしすぎる。想像しただけで鳥肌が立った。その後が描かれていなくて本当に良かった。 ・恩田陸「車窓」 〜車窓から見える看板が導き出す恐怖 このお話だけ、一度読んだだけではラストが理解でドきず、解説を見た。ふんわりと不気味な読了感が残った。恩田先生はやっぱり文体が優しい(易しい)分、ストーリーの不穏さが際立っていた。
- 記憶の本棚@kioku-no-hondana2025年3月12日読み終わった大好きな作家、貴志祐介さんと恩田陸さんが参加されていたので思わず手に取った一冊。 貴志さんの「猫のいる風景」と、北沢陶さんの「お家さん」が特に面白かった!