
本屋lighthouse
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2025年4月12日

ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア
デボラ・ソロモン,
太田泰人,
林寿美,
近藤学
読み始めた
DIC川村記念美術館に行ったときに勢いで買ったのを、なんとなく勢いで読み始める。このジョゼフ・コーネルというアーティストのことはほとんど知らず、ただただユートピアという文字に引きつけられただけではあるが、そういうものこそおもしろい事態を生じさせたりもする。
昔から伝記の使命は、芸術と人生の間につながりを見出し、どのようにして日常的な出来事が芸術家の作品に形を与えるかを論証することであった。けれど、たとえ「実生活」が芸術家の作品に影響を与えているとしても、それによって作品を完全に説明することはできない。実のところ、芸術とその中に潜在する夢想が人生に形を与えることも、その逆もありうるのだ。
デボラ・ソロモン『ジョゼフ・コーネル 箱の中のユートピア』(白水社)p.34
オスカー・ワイルドの言う「芸術が人生を模倣するのではなく、人生が芸術を模倣する」的なものに通ずる箇所だった。学生時代にはほとんどわからなかったワイルドの話が、いまはもう少しわかるかもしれない。









