さくら🌸 "あなたはここにいなくとも" 2026年10月18日

あなたはここにいなくとも
全ての話が「別れ」や「死」にまつわるものだけど、暗くなりすぎず、温かくもやさしい話だった。『くろい穴』だけは、主人公の感じる罪悪感が読後ザラリと残る。『ばばあのマーチ』は前向きな別れが描かれていて、傷ついた人達の涙が、オーケストラばばあが奏でる音色に乗せられている様子が目に浮かぶ。 『先に生くひと』の主人公は高校生の女の子で、高校生らしい初々しさや情熱を孕んだ文章になっていた。あるときは不倫相手の女性、あるときはリセット症候群のある女性、あるときは過去の出来事から自分に自信を持てない女性と、ちゃんとそれぞれの登場人物が持つ背景や雰囲気に準えた文章になっているので、町田さんの作品はどれも没入感がすごい。
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