
uta
@uta_0
2026年10月19日
妊娠カレンダー
小川洋子
読み終わった
生々しい身体の描写が、言ってしまえばまるで寄生虫のように、音を立てずに私の体を侵食していく。私は今、確かに小説の世界に閉じ込められている。我が身一つで。
身ごもった姉のために、毒薬の入ったジャムをーーー。そんな帯文に脅かされながらも、ここにいる「妹」も「姉」も、まったく私の姿だと思わずにはいられない。「破壊されたもの」を否応もなく出迎えなければならない、その逃れられなさ。時はじわじわと確実に近づいてくる。
けれど変わらず、文章は淡々と美しくて、書かれているものと文体との間の広さに、いつも驚かされる。そして、私もまた、自ら進んで毒を飲んでいるのだと思う。惚れ惚れするほど完璧な毒を前にして、手を伸ばさずにはいられない。飢えた生身の人間として。