妊娠カレンダー

27件の記録
- もん@_mom_n2025年3月29日読み終わった心に残る一節読書日記@ 自宅一人きりの静かな部屋で読む小川洋子さんの文章、とても沁みる。 「妊娠」という言葉を敬遠して今まで読まずにいたことを本当に後悔した。 私は小説に登場する果物の描写がもれなく好きで、『妊娠カレンダー』に登場するキウイもぶどうも枇杷もグレープフルーツも本当にたまらなかった。 p.53 「やまぶき色の果肉がガラスの破片みたいに何枚も何枚も薄く重なり合って、シャリシャリ音がする枇杷のシャーベット。枇杷のシャーベットが食べたいの」 p.89 嵐はいつまでも止まなかった。わたしはベッドの中から、海の底と錯覚しそうな深い闇を見つめていた。じっと息を殺していると、闇がか細く震えているのが分った。闇の粒子が、怯えるように宙でぶつかり合っていた。
- 夏しい子@natusiiko2025年3月6日かつて読んだ『妊娠カレンダー』は別の生き物のようになっていく 姉の観察日記をつける主人公の冷静な目線が好き。 『ドミトリイ』は先生にのめり込み、いとこを求める主人公に、スウェーデンの夫の事は大丈夫なのかと心配になる。 こちらはメタファ強めの作品かな。 『夕暮れの給食室と雨のプール』は男の人の話は心地良かったが、おじいさんにお金渡しちゃダメでしょうと読みながら突っ込んだ。
- amy@note_15812025年3月6日かつて読んだ小川洋子の『妊娠カレンダー』を読んでいなかったので、今さら読んだ。ほんとにこの人は美しい文章を書くな… 薄い氷みたな冷たくて繊細で割れたらその角が尖ってる感じの 文章の美しさを咀嚼していたらいつのまにか終わってる。ただ妊娠と出産という事象に祝祭的な雰囲気は作中ほぼ見られず、そこには強く惹かれた 私も妊娠・出産という事象に対しては正直なところ気味が悪いと思っている。主人公”わたし”の姉が言ったようにに人間の身体のなかで10ヶ月もの長いあいだ、もうひとりの人間が育つという事象が私にはどうにも良きことだと思えない。ひたすらにおそろしいと思う 妊娠・出産に対しては村田沙耶香もSF的な設定を用いて性別による非対称性などを描いたりもしているが、やっぱり安直なめでたきこと、という内容よりもそのグロテスクさやシビアさを描く作家が私は好き