妊娠カレンダー
126件の記録
ぱぬ@OnAkAsuitA_pp2026年7月20日読み終わった初めての小川洋子さんの作品。大昔、博士の愛した数式は映画だけ見たことがあったのだけど、小説は読んだことがなくて、今回初めて読みました。 全体を通して、とにかく無駄な言葉がなくきゅっと密度の高い、それでいて透明感のある文章が本当に素敵。物語全体が常に不穏な空気を纏っているはずなのに、それが不思議と和らぐ感じ。それでいて温度感を感じさせないから、描かれる空気を自由に解釈できるような。 妊娠カレンダーは、日常に潜む隠れた狂気の描かれ方がとても印象的だった。姉もそうだけど、姉の旦那もかなり私とは波長が合わない。つわりで気分が悪いという姉につられてしまう旦那も、めかしこんで受診に行く姉も、とにかく全てがちょっとずつずれている。積み重なる不和に、こちらの気も滅入りそうになった。この2人とリアルに生活していて、グレープフルーツのジャムだけで済んでいるの、ある意味すごいかも。 ドミトリイはかなり印象的だった。私は、天井裏にあったのは本当に蜜蜂の巣だと思っていて、先生のことをつい殺人犯かと疑ってしまった自分の気持ちが愚かしいとすら感じたのですが、それは幻覚で実は…という意見も多数あったのが面白かった。それにしても、先生のことを何処か聖人のように感じていそうな主人公にも終始違和感があった。私はもしかして、その違和感にすっかり取り込まれてしまったのかもしれません。 夕暮れの給食室と雨の日のプール。こんなに全てを投げられた、委ねられたと感じたのは初めてだった。色鮮やかな風景が浮かぶ中で、問題の親子だけはどうしてもセピアでしか想像できなくて、常にうっすら気持ち悪い世界でした。なぜそれを話したの?それで終わりなの?と思わせる父の語り草に、ある種健常ではないような、ほんの少し何かがずれている奇妙さを感じました。 小川洋子さんの文章がとにかく好きだと感じたので、また別の作品も読もうと思います。薬指の標本が気になる。 2026/7/20
N@r_is_for_read2026年7月4日読み終わった小川洋子さん独特の静謐な空気感にどっぷりと浸かれた。 『妊娠カレンダー』『ドミトリィ』『夕暮れの給食室と雨のプール』の三編があったが、個人的には『ドミトリィ』が一番好きだった。空虚な淋しさと無力感が美しい作品だった。 すごく味わい深かった言葉をここに。 「先生はまた咳をしはじめた。机にうつぶし泣いているような、哀しい咳だった。」




yucca@yucca052026年6月30日読み終わった借りてきた静謐。少しでも触れたらそこからひび割れて壊れてしまいそうな雰囲気。 染色体増殖の結果である赤ん坊、こわいねえ〜。かわいいいとおしいと思えるのは、本能的なものか、常識や倫理があるからか。 表題作が気になってたけど、2作目がざわざわしてすきだったな。
- ラスコーリニコフ@raskolnikov2026年5月12日読み終わったラランドのニシダさんの影響で。純文学はあまり読んでこなかったけど、ところどころの表現の美しさがとてもよかった。 「夕暮れの給食室と雨のプール」から 「誰でも一度は、集団の中に自分をうまく溶け込ませるための、ある種の通過儀礼を経験すると思うけど、僕はたまたまそれに手間取ってしまった」




山田三平@Yamada3P2026年5月3日読み終わった今回、初小川洋子です。 何か感想書こうかと思ったんですけど、無理でした。諦めました。 今後読んでいくうちに何か書けるようになるでしょうか。とても楽しみです。

まふぃ@bo_ok2026年2月8日読み終わった妹の目線から、「姉の妊娠」に対して、得体の知れない不安や気味の悪さを感じながらも淡々と綴っていくスタイル。読者として妊娠というモノがどのような影響を与えているのかを第三者的に傍観する不思議な体験ができた。 全体を通して空気の粘度が高く難しい。
mochi@shirotaN3212026年2月7日読み終わったあとがきまで作品のような文庫版。あとがきの「わたしの妊娠体験なんて、スーパーで買ってきた新鮮な玉ねぎそのもので、何の書かれるべき要素も含んでいない。その玉ねぎが床下収納庫で人知れず猫の死骸になってゆくところに、初めて小説の真実が存在してくると、わたしは思う」、「透きとおった悪夢のようにあざやかな三篇の小説」という紹介文が本当にぴったりあっている。本来祝福されるべき事柄が描かれながらも静謐に不穏。

ハルコ@inu8652026年1月9日買った読み終わった表題作を含む3つの短編集。 どれも、妊娠、転居、結婚といった環境の変化への心と体のゆらぎを描いている。 農薬たっぷりのグレープフルーツジャムを妊婦の姉に食べさせる、治らない病人のケアをする、宗教勧誘者の身の上話を聞く。それらは彼女たちに用意された「正しい」道筋からは横道に外れているが、必要な儀式だったのだと思う。 変化の先がどうなるのかわからないけど、(おそらくどうもならない)長い人生のうちに、おりにふれて思い出すんだろうな。 作中に出てくるジャム、はちみつ、チョコレート。美味しそうとはちょっと違うけど、口にしてみたくなる魅力を感じた。


結城@aori2025年12月30日読み終わったaudible今日は移動も多かったし掃除しているときもずっとオーディブル聴いてたから小川洋子の『妊娠カレンダー』(くらうちつむぐ 朗読)聴き終わった。 面白くないわけではないのだけど、これはちょっと苦手な方の小川洋子だったな…。 すごくグロテスクというわけではないのだけど、ふとしたところでざわっと刺激される不快感を自分はあまり楽しめなかった…。

まっつ@mattus_1232025年10月20日読み終わった妊娠カレンダー 身に覚えがある。いけない事への純粋な好奇心。 ドミトリイ 蜂が巣を作っているから。住民が減ってる理由はとてもシンプルなのかもしれない。し、もしかすると「他にいい物件があった」とか、「一人暮らしする必要がある生徒が減った」とか、全く関係ない理由かもしれない。けれど、先生の異質な雰囲気を不可解な出来事とどんどん絡めていって、先生を疑ってしまって。疑い深いのは自分の身を守るという意味でとても大事なことだけれど、こうして安易に物事の理由を決めつけてしまうことは、陰謀論を信じてしまう人と似通った部分があると思うので気をつけたいなあ、と。 夕暮れの給食室と雨のプール うまく言葉にできないけど、1番好きだったな。
おかか@95_reads1582025年8月17日気になる『おいしそうな文学。』収録 向坂くじら「枇杷のシャーベット」で紹介されていた本。食欲が減ってしまいそうな描写をされている料理の数々となんだかおいしそうな「枇杷のシャーベット」。 小川洋子さんの初期の作品は未読なのでいつか読みたい。

のし@readsnoshi2025年7月29日読み終わった少しの気味悪さ、でもなんとなく分かってしまう空気が一緒になってる文章。人の身体やその人が人生で紡いできた雰囲気もうまく表されていた。 後ろめたさや誰に言うでもない破滅的な衝動を誰しも抱えていてほしい。

盛り@fzke03152025年7月27日読み終わった解説を見て、純粋な悪意ではなく自己の破壊や胎児への復讐とみて、こういう解釈もあるのかと驚いた。 どの話にも不安定さがあるのに淡々としているからすらっと読める。 全話を通して食事のシーンがあるが、美味しそう、幸福そうとはかけ離れていて面白い。
torajiro@torajiro2025年7月21日読み終わった小川洋子さんの作品は何冊も読んできたが芥川賞受賞作は読んでいなかったなと手に取った。表題作を含む3編を収録。いろいろな形で身体的な何かと不思議な感覚を描く作家さんだなと思っていて、「ドミトリイ」は特にその後の作品につながる片鱗を感じる初期作品という感じで良かった。表題作で扱われる「妊娠」もまさに身体の変性にまつわる不思議で不気味な体験そのものという感じなので、なるほどこれが小川洋子の芥川賞受賞作か、と納得の作品だった。
無題@______enrai2025年7月7日読み終わったせっかく臨月になったし、そういえば未読だったと思って手に取った。 私のなかににある、妊娠への相反する気持ちを描出しているの?と思える姉妹がでてくる。実の姉妹だというのがいい。妹にとって姉はいつかの自分かもしれないと思えることが、妊娠の逃れがたさ・肉親の分かちがたさを感じさせる。 じっさい、妊娠をめんどうばかりでもある。妊婦の身体であることを奇異だなとしか私は思えないし、ほとんど妊娠を恐怖している。臨月になったいまも、受け入れがたく感じる。 それに、自分のケア労働(私の場合は実際に母胎そのものも含まれる)を拠出してばかりではないかという疲弊と不安がいつまでもついてまわる。 妹が、神経症の姉と義兄と暮らし、家事や感情労働・ケア労働を今後も提供するのかもしれないと予感させられるところに妙がある。姉は胎児をケアしているが、それは姉が胎児を望んでのことである…と納得できる。が、実際姉の生活を支える労働は妹が行うのだ。 仕事でおそくなる夫への気持ちや、母胎になったとたん、母胎は胎児の透明ケースのようなものだと扱う人間を見ている時、妹の悪意にちゅるんとした喉越しの良さすら覚えた。 かといって、実際臨月まで妊婦をやっていると、ホルモンに振り回されて母胎になることを恐れる姉のことを横柄だと否定もできない。ホルモンや不安は私をめちゃくちゃにしたし、実際に変化し、痛みがあるのも私ひとりだ。子宮にいる子どもの親になりたいけど、社会に求められる”母親”への期待やプレッシャーには押しつぶされそうだ。”母親”にはなりたくないと何度思ったかことか。 だけど、私は妊娠をきっかけに仕事をやめられたというのもある。女だからやめることができたし、妊娠にあやかっている。姉もおなじように妊娠にあやかって人を振り回し、ケアされることを当然と思って振る舞う。 少なくとも私の中には、姉も妹もいた。体のなかにいるので表出されていない、より混沌としたかたちとして。 それが人格と人生を分けたふたりとして描かれているようで、悪意すら面映かった。



ほんね。@Honne_03302025年6月20日読み終わった登録忘れ。「ドミトリィ」の不穏さが癖になる。 どの話も水の中に1滴黒の色水を垂らしたような感じ。 食べ物の描写が一切美味しくなさそうで気持ち悪さすら感じる。ある種の悪阻体験。 文章が綺麗で文学的だからこそ異質さが際立つ。結構好みかも。
もん@_mom_n2025年3月29日読み終わった心に残る一節読書日記@ 自宅一人きりの静かな部屋で読む小川洋子さんの文章、とても沁みる。 「妊娠」という言葉を敬遠して今まで読まずにいたことを本当に後悔した。 私は小説に登場する果物の描写がもれなく好きで、『妊娠カレンダー』に登場するキウイもぶどうも枇杷もグレープフルーツも本当にたまらなかった。 p.53 「やまぶき色の果肉がガラスの破片みたいに何枚も何枚も薄く重なり合って、シャリシャリ音がする枇杷のシャーベット。枇杷のシャーベットが食べたいの」 p.89 嵐はいつまでも止まなかった。わたしはベッドの中から、海の底と錯覚しそうな深い闇を見つめていた。じっと息を殺していると、闇がか細く震えているのが分った。闇の粒子が、怯えるように宙でぶつかり合っていた。
夏しい子@natusiiko2025年3月6日かつて読んだ『妊娠カレンダー』は別の生き物のようになっていく 姉の観察日記をつける主人公の冷静な目線が好き。 『ドミトリイ』は先生にのめり込み、いとこを求める主人公に、スウェーデンの夫の事は大丈夫なのかと心配になる。 こちらはメタファ強めの作品かな。 『夕暮れの給食室と雨のプール』は男の人の話は心地良かったが、おじいさんにお金渡しちゃダメでしょうと読みながら突っ込んだ。
amy@note_15812025年3月6日かつて読んだ小川洋子の『妊娠カレンダー』を読んでいなかったので、今さら読んだ。ほんとにこの人は美しい文章を書くな… 薄い氷みたな冷たくて繊細で割れたらその角が尖ってる感じの 文章の美しさを咀嚼していたらいつのまにか終わってる。ただ妊娠と出産という事象に祝祭的な雰囲気は作中ほぼ見られず、そこには強く惹かれた 私も妊娠・出産という事象に対しては正直なところ気味が悪いと思っている。主人公”わたし”の姉が言ったようにに人間の身体のなかで10ヶ月もの長いあいだ、もうひとりの人間が育つという事象が私にはどうにも良きことだと思えない。ひたすらにおそろしいと思う 妊娠・出産に対しては村田沙耶香もSF的な設定を用いて性別による非対称性などを描いたりもしているが、やっぱり安直なめでたきこと、という内容よりもそのグロテスクさやシビアさを描く作家が私は好き
eri@ghwz_11900年1月1日かつて読んだ@ 自宅わたしは漠然と妊娠からの母体の変化に対して恐怖心があるのは、この客観的な妹からの目線が脳裏に焼き付いているのかもしれない お姉さんが病室の窓から観た景色はどんな色していたんだろう わたしは本当に生命の誕生が怖い


















































































