irgendwohin
@irgendwohin
2026年10月22日
20世紀ラテンアメリカ短篇選
野谷文昭
読み終わった
とても面白かった。
さまざまな読後感を残す短篇集を読み終えて、まずそもそも「マジックリアリズム」という言い方はどうなんだろうと考えたり。作り手自身が意図的(あるいは戦略的)に使う側面もあるけど、何もかも引っくるめて「魔術的」と受け止めることの暴力性はあるんじゃないか。一時期そう言ってラテンアメリカ文学がもてはやされたことそれ自体が帝国主義的な暴力性を象徴的に表してると思えば、その背景込みで歴史を映す言葉なのかもしれないけど。
その意味では、冒頭に集められた、反植民地主義的な背景を持つ作品群は相当パンチが効いている。
女性作家の、計算されてるけど自由で、ちょっと挑戦的な筆致はどれも面白かった。イザベル・アジェンデの「ワリマイ」は、それを女性が描くのかという衝撃が凄い。
短篇集全体としても、そこに女性視点の作品を入れたことで、男性作家が描くラテンアメリカ的マッチョイズム(というのも雑な引っくるめなのはさておき)が、より立体的に見えてくるのは面白い。なんか『百年の孤独』も今読み直したら初読とは違う印象を持つのかもと思わされる。
『精霊の家』今度読もう。



