
shoghts
@shoghts
2025年4月13日

小説
野崎まど
読み終わった
なぜ小説を読むのか?なぜ映画を観るのか?
物語が終わった直後の、あのほわ〜っとしたお風呂上がりのような、すぐにはうまく言葉にできないもどかしい感覚。SNSでシェアするときに、本当は言葉と一緒に感想を添えたほうがいいはずなんだけれども、結局写真だけあげてしまう、あの感覚。
あの心の正体が、この『小説』には優しく詰まってる。教えてくれる。そして尚、言えるのが "読むだけでいい"の、"観るだけでいい"の。その答えに辿り着くための道標が、この218ページに凝縮されている。
宇宙が生まれたのがたまたまなら、僕が生まれたのもたまたまで、宇宙からすれば、生まれてから死ぬまでの人生なんて映画のエンドロールのように短いものなのかも。だけれども、紡がれてきた人々のその短い余韻が、この答えと自分の心の距離を縮める旅となって、この先の見えない不安な暗闇の中で漠然と文字に追われながらも、人間は古来から嘘を愛して、嘘に生きていて、嘘に助けられてきた理由なのかな。
これを読めば、あなたは今以上に言葉を大切にするでしょう。心は言葉でできているから。


