いちのべ "虚弱と歩く" 2026年10月24日

いちのべ
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@ichinobe3
2026年10月24日
虚弱と歩く
虚弱と歩く
ヒオカ,
トミヤマユキコ,
中井治郎,
伊藤亜和,
安藤裕子,
宮崎智之,
暮田真名,
清水友佳子,
済東鉄腸,
渡辺優,
絶対に終電を逃さない女,
藤野可織,
雁屋優
「あなたが子どもを産むのは無茶だ」と看護師に言われた、虚弱な母のもとに生まれた。幼稚園から大学まで、無遅刻無欠席とは無縁だった。常にかかりつけ医がいた。幼稚園や小学校は風邪を引いてしょっちゅう休み、中学時代は慢性貧血で疲れやすく、高校では週の後半になるとしんどくて保健室で寝ていた。それでも一応、ブラック企業で奮闘していた20代までは「平均より少し体力がない」程度だったのかもな、と、本書に登場する方々を見て思う。あるいは当時、気力だけで無茶をしたツケが、30代後半からの不調に繋がっているのかもしれない。 虚弱であるが故に外で働くことを諦めざるを得なかった母は、「自分で自分を養えるようになりなさい」と子どもたちに言い聞かせ続けた。大学に合格した時、「ここがゴールではない」と言われた。固定給を失うことが何より恐ろしかった。週5日8時間勤務に耐えられる人間でい続けなければいけない、と、自分をチューニングし続けてきた。でも別にそんなの、必然でもなんでもないんだよな〜!と、読み進めるにつれ、肩の力が抜けた。 > もし、あなたが誰かを「まともな人」だと思うのであれば、それはあなたがその人のことをよく知らない、ただそれだけのことなのである。もし、この世界が「まともな人」たちで埋め尽くされているように見えるのであれば、それは我々を隔てる距離と互いの無関心の結果に過ぎない。それは虚像である。その虚像と自分自身との隙間を埋めるために、ジムに通い、プロテインやサプリを飲み、いくつもの病院に通い、たくさんの薬を服用する。 > われわれは「まともな人」になりたがっている。かつてないほどに。(中井治郎「明るい時間に、風呂に入る——虚弱エッセイ試論」p149) 特に響いたのがこちらの一節だった。自分の中にある「まともな人」の虚像を、そろそろ解体しても良いのかもしれない。以前に少し学んだ「ポジティヴ・ヘルス」の概念も役に立ちそうだな、と、己の虚弱さと前向きに向き合えそうな気がしてきた。
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