村崎
@mrskntk
2026年10月25日

観光 (ハヤカワepi文庫 ラ 2-1)
ラッタウット・ラープチャルーンサップ
読み終わった
タイ出身の作者による短編集、よかった!
「紙の動物園」をすすめてくれた友人が貸してくれた、どこか雰囲気が似てる。
全体的に小さく強い生命力のようなものを感じた、個人対個人の切実さが描かれていて、ひとつひとつの風景描写になんだかじーんとくる……
とくに印象深かったのが「徴兵の日」、友人と抽選徴兵会に赴く話で、くじによって自分が徴兵されるかされないかが決まる。でも本当は語り手は親の力で徴兵は免れていて、結果は最初からわかってる、友人にそれを告げずに一緒に抽選へ……というあらすじで、とてもやるせなくて、そのやるせなさが物語的ではないというか、日記みたいでその日を一緒にたどっているような感覚だった。
「こんなところで死にたくない」もよかった、介護を必要とする父親と、その息子と息子の妻の話。妻は他国の人で息子夫婦と一緒に他国へわたる父親、プライドが高く妻に対して許せないことが多いけど、国籍を超えて人間と人間のかかわりを切実に描いた作品だと思った