チョム "スカイ・クロラ" 2026年10月26日

チョム
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@abb_20260521
2026年10月26日
スカイ・クロラ
スカイ・クロラシリーズの第1作ということで、この世界観の導入という感じの始まり方だったなという印象。導入なのに主要人物がいなくなったり謎が残されたままだったりしたので、時系列としてはラストなのだろうけれど腑に落ちない終わり方。結局シリーズを通して読んでも謎は謎のままだったので、それほど考察しがいのある作品だと言ってしまえばそうなんだろうけど、読者に委ねすぎ感というか、「書かなすぎ」感もある。森博嗣作品ってもしかしてほぼそういうものなのかな? そしたらわたしが森博嗣作品を読むのに向いていない頭をしているというだけの話であった 『すべてがFになる』はそこそこおもろかったけど、あれはミステリーだったからかも。 本作のクサナギさんが『ナ・バ・テア』『ダウン・ツ・ヘヴン』とは別のクサナギさんだとする考察もあったが、p181あたりで彼女の口から語られていたのは『ダウン・ツ・ヘヴン』冒頭の怪我のことだった。記憶が引き継がれているにしては鮮明すぎるように思えるし、でもたしかに本作ラストのクサナギさんの死生観というか態度は上記2作とは異なる気もするし、そんなに深く考察しようとも思えず、結局のところよくわからないという感想に落ち着いてしまった。 シリーズであれだけ「愛情」とはなんぞやという話をしていたクリタくんとクサナギさんのそれを、ミツヤさんが一言でまとめてしまっていたのは少しばかり滑稽であった。他人から見たらそうなんだなという感じである。 「『クサナギさんが、クリタという人を撃ったのは、だからきっと……、終わらせてあげようっていう、彼女の愛情だったんだと思うの』」(p301) そんな単純なものだろうか…… どうでもいいけどカンナミくんって女の子と普通のデートしたことあるの? 本シリーズのパイロットは風俗(宗教法人?)の女性たちと寝てはいるみたいだけど、そういう青春みたいなデートとは縁がないものだと思っていた。 「ピロティに出るとき、僕は自分の右手をそっと盗み見た。デートのとき、女の子に気づかれないように時計の文字盤を覗き見る、あれに似ている。」(p219-220) でもたしかにキルドレとはいえ小学生時代とかの記憶はあるっぽいし、どこまで学生時代を過ごしていたかは知らんけど煙草や酒を嗜めるくらいには時を過ごしてきたわけで(見た目が子供なだけで)、なんかそういう青春時代もきっとあったんだろう、描かれないからよくわからないけど。 カンナミくんがクリタくんの生まれ変わりみたいなもの、というイメージはアニメ映画版でなんとなく押さえていた知識(?)だったけどミツヤさんが想像で口にしていたものなんですね。 クリタくんの同僚であるトキノくんがいちばんわかるんじゃないかな?とは思うけど、トキノくんは何も言ってないし、ちょっと一緒に過ごしただけのミツヤさんが言ってるというのが信憑性の薄い妄想だなという感じ。 結局クリタくんをクサナギさんが殺したのも事実かわからないし(クサナギさんが杣中さんとかに言ってるだけで……)。 わからないことだらけだな 読み込みが足りないのかも でも深く読み込もうとは思わないな……シリーズ通して再読はなさそう。 なんとなくいちばん好きだったのはこの表現。エンジンにエロがりを奏でるのは本シリーズのパイロットの独特な感性かもしれない。 「土岐野のバイクのエンジンは直列の二気筒だった。(中略)カムの音が心地良い高周波の響きでセクシィだった。まだまだ余裕のありそうな滑らかな回転で、ときどきパイプの中で軽く駄々を捏ねる排気音が可愛らしい。」(p57-58)
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