
青甲羅
@ao_coke
2026年10月25日
暁星
湊かなえ
読み終わった
忙しくて読むのを中断してしまってからしばらく経っていたから、せっかくだから頭から読み直した。ネタバレします。
小説の構造自体面白いし、視点によって登場人物が何を語り、何を語らないのかというのは、ミステリとして楽しかった。手記なんてものは得てして信頼できない。信頼できなさが面白い。
「金星」パートが「暁闇」ほど乗れなかったのは、シームレスに恋愛感情が混ざっていくことにびっくりしたからだと思う。
明らかに安倍晋三殺害と統一教会の問題を元ネタにしているため、作中の宗教団体の取り扱いについては注意深く読まざるを得ない。
宗教二世の家庭環境はとても読んでいて苦しかったし、そんな中でも続きを読ませてしまうのは、湊かなえの筆致によるものだと思う。
しかし、宗教団体に対する作中での最終的な決着には、納得ができない。最後の数ページの中で語られる宗教団体の行く末を、私は個人同士の愛で片付けることができない。星子が大きな壁を壊したいのだとしたら、高橋の行動には納得しないでほしい。
テーマが現実の問題に直結する割に、いまいち事件背景の構造そのものに切り込めていない、物足りなさを感じた。