鈍獣 "星の時" 2026年10月27日

鈍獣
鈍獣
@whale_in_da_room
2026年10月27日
星の時
星の時
クラリッセ・リスペクトル,
福嶋伸洋
あとがき “ この『星の時』を例に取ると、マカベーアが上司やグローリアやオリンピコや占い師と出会って進んでいくストーリーが「物語内容」に当たり、いっぽうで、それを題材として語り手ロドリーゴ・S・Mが小説の文章を綴ってゆく作業(その作業を取り巻く事柄についてもたびたび書かれている)が「物語行為」に当たる。  忘れてはならないのは、ロドリーゴの歯の痛みが続いている——シェイクスピア『から騒ぎ』の「For there was never yet philosopher / That could endure the toothache patiently」をほのめかしているのだろう——とか、白ワインを飲みながら書いているとか、疲れたから執筆を数日間中断するとかといった雑事や、自分の存在や死をめぐる唐突な省察など、「物語内容」にはまったく関わりのない、「物語行為」にまつわる文章もまた、「物語」を構成する要素になっているということである。語り手がたびたび物語に介入してくることは、とりわけ本作の大きな特徴となっている。”
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