
まめご
@mmg_86
2026年10月27日
こうしてぼくはスパイになった
デボラ・ホプキンソン,
服部京子
読み終わった
1944年、パリを占領したナチスドイツによる空襲にたびたび見舞われていたロンドンで、民間防衛隊の伝令係である13歳の「ぼく」バーティがある女の子とぶつかったことから始まる物語。
戦時下という苦しい状況でも、それぞれに過去を背負いながら心を通わせていく子供達の友情と、暗号解読と、少しずつ明らかになっていくいくつかの謎と。
暗号解読や謎解きの部分はスリリングで読み進めるほど勢いがついていき、久しぶりにミステリのやめられない面白さを堪能した。
一方、生まれ育った国がそれぞれ異なる3人の子供が、謎解きを通して絆を深めていく様は確かに心温まる良いものではある。
しかし第二次世界大戦がなければ出会うことすらなかったかもしれないと思うと、フィクションといえどこれを「楽しい!」と言い切っていいものか、読み終えた後に複雑な気持ちが湧いてきたのも事実だ。
それも含めて、図書館では10代向けのコーナーに並んでいた児童書だけど、大人が読んでもとても面白い作品だった。
暗号解読に挑む子供達がみんなシャーロック・ホームズシリーズを読んでいて、会話に頻繁に登場したり、それぞれの小節の冒頭に紹介される言葉に引用されていたりと、ホームズ好きの私には更に楽しいポイントもあった。
表紙の絵もとても好きだなーと奥付を見ると「装画 Naffy」の文字が。
『台湾漫遊鉄道のふたり』や『四維街一号に暮らす五人』など、書店でなんとなく目が止まる表紙はこの人の絵であることが多く、ちょっと気になっていた。
この人の装画を追った“ジャケ読み”をやってみるのも面白いかもしれない。



