
ルイージさん
@S_Luigi
2026年10月27日
読み終わった
ネタバレ含みます。
杉井光『世界でいちばん透きとおった物語』
宮内彰吾の死後、彼の息子である藤阪燈真が、父の遺した小説をめぐって真相を追っていく物語。物語が進むにつれて「透きとおる」という言葉の意味が重要になり、最後には紙の本ならではの仕掛けが明らかになる。
本作で最も印象に残ったのは、最後に現れる透きとおった5行分の言葉だった。「透ける」が鍵になることは予想できたが、ページそのものを透かして読む仕掛けは想像を超えており、新しい読書体験となった。また、藤阪燈真が作家として書いた最初の一冊と、今まさに自分が読んでいる本が重なる瞬間には感動した。
さらに、宮内彰吾が書けなかった最後のページを藤阪燈真が書けたことに、親子のつながりを感じた。会ったことのない二人でも、不器用な部分を含めて親子だからこそ分かる感覚があり、互いの心が通じ合えたのではないか。ページが透けるという仕掛けだけでなく、人の心も透きとおり、相手を理解できる瞬間を描いた物語だと感じた。




