ぎい "すべての美しい馬" 2026年11月1日

ぎい
ぎい
@untermrad_0702
2026年11月1日
すべての美しい馬
すべての美しい馬
コーマック・マッカーシー,
黒原敏行
読書週間便乗シリーズ継続中。 コーマック・マッカーシーの〈国境三部作〉の1作目。 表紙の、馬のたてがみを映した白黒写真が美しい。 愛馬レッドボウに寄りそうジョン・グレイディの視点かな。 16歳の少年が、親友と愛馬を供としてメキシコを目指す、青春ロードムービーのような小説。 映画化もしているそうなので観てみたい。 牧場と馬が人手に渡ることに反抗し、 自分の理想とする土地を求めて旅に出る冒険心ある少年がぶち当たる、過酷な現実の数々が辛い。 青春小説の枠からはじけ飛ぶ苛烈さ。 前半の、時代錯誤な馬上の旅程からは想像できない暴力的な出来事、少年には辛すぎないか……? そんな仕打ちに遭いながらも、 折れることもすれることもないジョン・グレイディの心根が、 痛々しくもあり、潔くもあり。 彼自身が、まるで調教できない孤高の野生馬のようで。 作中で言われる、 「君ははみ出し者だな」と、 「君は少し自分に厳しすぎる」という台詞は、 ジョン・グレイディに対して同じことを評しているんだなぁ……。 自分に正直で理想を曲げることができない、故に時代や周囲の変化に逆行するように行動してしまう、 真っ直ぐであるがために逸脱していってしまう、不器用な真面目さ。 自由を求めて崖から身を投げるマスタングのような生き様に引き込まれる。
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