コマユミ "黒牢城 (角川文庫)" 2026年11月1日

黒牢城 (角川文庫)
最初、あの米澤穂信さんがなんと時代ものを!?と驚いたが、時代劇で本格ミステリィ。 有明城(伊丹城)に荒木村重によって心ならずも囚われた黒田官兵衛が、牢獄の中から安楽椅子(などという快適な環境ではないが)探偵宜しく名推理を披露するというストーリィ。 むしろ牢獄から一歩も出ずに与えられた情報だけで推理してみせるというのは、かのレクター博士に近いのか。 次々と難事件の謎を快刀乱麻を断つが如く、村重の前で解いてみせる心地よさ。 しかしそれは、牢の内より村重を籠絡せんと企む官兵衛の恐ろしく緻密な布石。 村重への深い深い恨みの為、暗く狭い土牢の中で着々と復讐の策を練り続ける。 ただひたすら自ら命を惜しんで、織田に謀反しながら結局妻子や孫を捨て、籠城していた城をひとり逃げだす将という、荒木村重の今までのネガティブなイメージとはちょっと違う印象を持ったなあ。あとは知略の官兵衛が、割と執念深くて陰湿でそれもまた良かった、かな。 2026/10/19
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved