ishiguro_reads
@ishiguro_reads
2025年1月5日

庭のかたちが生まれるとき
山内朋樹
読み終わった
バラバラの形を持つ石を、庭の中にどう配置するか。バランスとリズムについての試行と、ときどき変わる与件にどう応えるか、という作家の態度についての記述。設計に携わる者として学びがある。
著者は美学を専門とする教員であり、庭師でもある。師匠の古川が一つの庭をつくりあげるまでの一手一手を書き残し、その裏にある意図を考察する。
偶発的な出来事により全体が崩れ、それを組み直す際、事後的にまるで意図されていたかのようにそれまでの諸要素が別の流れに統合される、という作家の態度に共感するとともに、目指したい姿だな、と思う。

