
oto
@sakana__books
2025年4月15日

博士の愛した数式
小川洋子
読み終わった
本屋大賞発表会の阿部暁子さんのスピーチを聴いて無性に読みたくなったので、積読本の中から引っ張り出してきました。
記憶が80分しかもたない博士とその家政婦の「私」、息子のルートの共通言語は数学と野球。
日常の何気ない数が数学的にはつながりがあって、それを事の大小に限らず大切そうに語る博士も、話を聴いて魅了されていく私もすごく豊かな心の持ち主だと思った。
博士の不器用だけど憎めないあたたかさと、それに応え時には優しい嘘を突き通す「私」とルートの愛の深さに胸がいっぱいだった。だからこそ、翌日には関係がリセットされ、一から始めることや、だんだんと博士の記憶が止まってゆくことが苦しくて悲しくてしょうがなかった。
朝起きたときに絶望から始まる博士は果たして幸せだったのだろうか…
なんでもっと早く読んでおかなかったのだろうか…
何度も読み返したい、大切な一冊がまた増えた。









