
ユメ
@yumeticmode
2025年4月12日

月とコーヒー
吉田篤弘
読み終わった
感想
再読
待望の続編『月とコーヒー デミタス』が刊行されたので、まずはこちらを再読。「物語の始まり」を集めたような、24の珠玉の掌編が収録されている。ひとつずつゆっくりと読んで物語の世界に思いを馳せるのもよいし、続けて読んで物語と物語が響き合うのを楽しむのもよい。様々な味わい方ができる一冊だ。「アーノルドのいない夜」「隣のごちそう」「青いインク」「熊の父親」「三人の年老いた泥棒」「セーターの袖の小さな穴」がお気に入り。
あとがきによると、タイトルの『月とコーヒー』は、「太陽とパン」の対となる言葉。確かに生きていくうえで欠かせないのは「太陽とパン」の方かもしれないが、「月とコーヒー」のない人生はずいぶん味気ない。「月とコーヒー」を描いた篤弘さんの小説が好きだし、私も「月とコーヒー」を大切にする人間でありたいと思う。


