こまち "丕緒の鳥 十二国記" 2025年4月16日

こまち
@komachi0319
2025年4月16日
丕緒の鳥 十二国記
4/16読了。2日ですんなり読めました。 タイトルの『丕緒の鳥』をはじめとした短編4作はどれも国を支える仕事をする一般の人が、その仕事を通じて国を語るというスタイルでした。普段は王や麒麟を中心にストーリーが進むのとは違う視点で非常に興味深いものでした。 個人的には、法治国家として名高い柳を舞台に死刑制度の是非を扱う『落照の獄』が印象的です。 「殺人には殺刑をもっと報いる」ことについて「これは根本的な正義と言うより理屈を超えた反射なのでは」という作中の如翕の言葉は現代の日本でも同じことが言えるし、登場人物それぞれの意見や心理的葛藤も理解でき、非常に考えさせられる話でした。 また、四つの話全てで王が道を失うと天変地異や凶作に見舞われて国土の荒廃が進む点が丁寧に書かれていたのも印象的です。麒麟を通じて天意で王を選ぶというロジックと通じているのでしょが、王の治世が国の状況を左右するという設定が十二国記シリーズのポイントの一つであることは間違いないですね。 最後に慶の過去3代の女王の統治について書かれていたけど、これを読むと国民が女王を嫌がるのも仕方ないかな、と。「慶、やべーな」という感想しかないですしね。 でも、予王については、景麒があれだけ陽子にガミガミ言ってため息付きまくっているのを読んでいるので、それをやられてもなお奥に引きこもって機織りして、その口うるさい景麒に恋着した挙句にあれだけ狂ったことをやらかしたのがちょっと想像できないなとも思ってしまいました。
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