こまち
@komachi0319
- 2025年8月26日白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記小野不由美読み終わった再読中8/25読了。 『白銀の墟 玄の月』再読の前に、ミュージカルのチケット確保でテンションが上がって「月の影 影の梅』3回目を経てしまったため、『黄昏の岸 暁の天』から間が空いてしまいましたが、リアタイした人は18年待ったんですもんね。 『白銀の墟 玄の月』1巻、2巻は初読時すごく時間が掛かったのですが、再読でもこれまでの作品と比べるとこれは同じでした。 まず、登場人物が多い。白銀は王や麒麟がメインではなく、いわゆる民草を一つの軸としてまるで希望がない王不在の戴国を語るので必然ではあるのですが。これは一度読んでいると「あー、この人はこの後……」となったり、後の展開を知って読むと解析度が上がることもあるので、むしろ読んでいて楽しかったです。 今回、時間が掛かると感じる要因はむしろ描写が緻密な点なのかなと感じました。地形や地理、建物など初読時はさらっと読み流したけど、今回は色々想像して読んだし、地理の話が出ると冒頭の地図を確認しながら読みました。戴国は気候の厳しさも追い討ちをかけているので、この辺りは作者の強い意図を感じます。イメージとしてはロシア文学に近い印象を受けました。 一度全部読んでから再読したこの1巻、私は面白く感じました。情報量が初読だと全容を理解するのが難しいのかも。 1巻では驍宗麾下の話も出てくるけど、圧倒的に私は英章が好きですね。阿選謀反の報で即座に軍の解散を決める判断、敵に降れば首を取ると言い放つところ、麾下の項梁から「気難しいところがある」とやんわり評されているあたり私が大好きなタイプです。
- 2025年8月7日黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記小野不由美読み終わった再読中8/6再読。 下巻は十二国合同での泰麒捜索を軸に話が進むのですが、遠慮のない意見を言いまくる陽子と、まるで親戚のおじさんのように陽子と言い合っても最後は協力してくれる延王・尚隆。『風の万里』では偉大な先輩という立場でアドバイスしていた尚隆に一歩も引かず言いたいことを言う陽子に成長を感じました。もちろん、若さと未熟さゆえに危ういところは多いけど、でもこれまでにない発想が他国との協力を実現して、結果的にそれが泰麒をこの世界に連れ戻すことにつながったのだから。 延麒・六太と陽子の共同戦線も多く、この主従もアリかな〜と一瞬思ったのですが、『海神』の六太は20年経っても王の存在を信じられない麒麟だったから、「自分を王に選んだお前だけは私を信じなけれなならない」と言う陽子とうまくいくはずがないな、と思い直しました。 『黄昏の岸』では天の理への疑問にも踏み込んでいて、李斎や陽子のそれは多分読者の多くも思ったことだと思います。でも、その融通の効かない天が選んだ慶の王が陽子で、陽子が玉座にいたからこそ泰麒が常世に戻って来れたというのもまた意味深です。泰麒が蓬莱に消えた時は予王の治世だったわけで、もしかしたら泰麒を救うために胎果の王が必要で、そのために予王は道を外してしまったのかもとぼんやり考えたりもしました。 下巻では範の主従が初登場ですが、氾王・呉藍滌様、好きですね。かなりのクセ強キャラですが、洞察力があってビジネスマンとしても有能そう。そういえば、十二国記の地図を見ると黄海を挟んで慶の反対にある範の王が、女装の王様というのも女王を嫌う慶と対照的で面白いと感じました。
- 2025年8月7日読み終わった再読中8/3再読。 『魔性の子』の裏側のストーリーで、さらにこれまでの様々な話が集約される『黄昏の岸 暁の天』。初読時は蓬山であんなにイケ散らかしていた驍宗様のその後の苦難と、同じく蓬山では優しいお姉さんといった風情の李斎が慶を滅ぼしてでも戴を救いたいとまで追い詰められた様子に圧倒されてしまったけど、その後の白銀4巻を読んだ後改めて読むと、また新しい発見がありました。 十二国記は一貫して「人間は誰しも愚かで弱い面もある」「純粋に善のみの人はいない」が根底にあるのですが、『黄昏の岸』の李斎の心の動き、特に下巻ラストで戴に帰ることを躊躇うシーンは人間として自然でありそうで、強い女性の弱さをきっちり描いていて素晴らしいと思いました(このシーンがあるから白銀での李斎が光る気がします)。 あろ、上巻ラストで景麒が陽子の後を追い、二人で話すシーン。『風の万里〜』で陽子がいたらないことの筆頭は麒麟を信じたりないことではないかと反省していたからこそ、陽子が景麒に意見を聞いて主従が率直に話し合う場面がとても印象的でした。戴ではまさにそこを突かれてしまったことの対比でもありますしね。
- 2025年7月21日華胥の幽夢 十二国記小野不由美読み終わった再読中7/21再読。 5つの短編からなる『華胥の幽夢』、どの話も本当に好きで大切に一日1話読みました。 『冬栄』は泰麒が生国に下ってすぐの平和(そうに見える)ひとときの話。正頼との穏やかな時間、漣訪問と廉主従(めちゃくちゃ好き)とのやりとりが再読では本当に切ないし、漣訪問のメンツも白銀まで読んだ後見ると意味深過ぎて、初読時とはまったく違う視点で読みました。この裏であんなことが、と思うと複雑過ぎます。 『乗月』はミュージカルの予習でドラマCD(月影ではほぼ触れられない舒覚と舒栄の話『姉妹王』が目当て)を聴いたのですが、そこで芳に行く前の桓魋と楽俊のやりとり『地に獣』を知った後なので、一層しみじみと読みました。 とにかく仲韃に対する月渓への感情が重いし大きい。月渓、めちゃくちゃ湿度が高いし、この話を読んだ後、祥瓊に対してしたあれこれを思うとああ〜と変な声が出そうです。本編でツッコミ不足だったところをきっちりさらっていて見事な話でもあります。 『書簡』は二人のやり取りがとにかく好きで。なんと言っても『赤楽』って元号を景麒まで許してくれたのがアツイ。初読時「どこのCP名?」って思ったのに。あと、何気に楽俊がなんでも「陽子のおかげ」と言っているのが好きです。でも、銀をくれたのは延王ですよ〜。 『華胥』はちょうど参院選の最中に読んだので、より一層思うところがあります。とにかく「責難は成事にあらず」の一言が重いし、これは文字で語るのは難しい話です。 最後は『帰山』。この話がとにかく好きで、一回シリーズ全巻読み終えた後これだけは何度か読み直しています。二人が語る王朝の興亡と仙籍や神籍に入った人の生死への考えが非常に興味深いです。あと、奏に帰った利広が語る諸国の話で慶のことを面白いと語ってくれるのが嬉しい。いつか陽子とエンカして欲しいです。 とにかくどの話も素晴らしくて大好きな一冊です。
- 2025年7月17日読み終わった再読中7/17再読。 十二国記の中では珍しく読みやすい図南の翼、読んでしまうのがもったいなくてなかなか手を付けられなかった一冊です。 供王珠晶が登極するまでの話。12歳としてはしっかりして生意気な恵まれた環境の女の子だけど、やはり王になるべく人だと皆を納得させるなかなか豪胆な珠晶。『風の万里〜』でノブレス・オブリージュを説くあのシーンがすごく好きなのですが、90年経っても変わらない。自分が斃れた後のことを考えて妖魔対策をと言う辺りは陽子と気が合いそう。 この話は色々好きなポイントがあるのですが、やはり犬狼真君の登場と、最後、駮に自らの名前を名付けることを許して名乗るシーンが最高ですね。 最後に、初読時は胡散臭すぎた利広を今回は楽しく見守ることができました。終章、好きです。
- 2025年7月11日丕緒の鳥 十二国記小野不由美読み終わった再読中7/11再読。 前回は確か発売順で白銀の手前で読んだ『丕緒の鳥』、今回は『図南の翼』の前に読みました。 初読時と同様、一番印象に残ったのは『落照の獄』でしたが、この話については結構書いたので全体について。 これまでの王や麒麟という上の立場からの話でなく民目線のボトムアップな話は十二国記シリーズの中では珍しいのですが、だからこそ自分の経験と照らし合わせることができて、それがこのシリーズの理解を深めさせてくれるよう感じます。 あとは前回も書いたけど、陽子が登極する前の慶、特に予王の治世がめちゃくちゃやばいなとか、柳は蓋を開けたらすごくやばそうというのもありますが。 『青条の蘭』が尚隆登極時の雁の話で、最後の方で「新王によって任じられた新しい地官遂人は、話の分かる人物だと聞いた」とあるけど、これは帷湍のことですよね。初読時には気付かなかったので、遅ればせながら気付いて喜んでいます。
- 2025年7月5日風の万里 黎明の空(下) 十二国記小野不由美読み終わった再読中7/4再読。 後半は一気に読めました。陽子と知らないうちに会っている祥瓊と鈴、そして乱を起こして平定するまでの展開が自然で素晴らしい。他の作品も、シリーズ全体も、話の展開が多層で伏線がしっかり張られていて読んでいて本当に楽しいです。 最後の初勅に至るまで、たくさんの出会いと乱に至るまでのあれこれから学んで強くなる陽子に、これで景麒も王朝に居場所ができるよねと思ってしまいました。 初読の時はそれほど気にしなかったけど、利権を争う官、回想の予王の政の様子や瑛州の州師が命令に従わなかった様子から、おそらく先王の時代から景麒はお飾りの宰輔だっただろうし、続けて似たような(と思われるけど実際は違った)女王を選んで風当たりも強かったはずなので。 とりあえず、再読でも景麒の「下僕が来た」で笑ってます。
- 2025年7月5日風の万里 黎明の空〈上〉十二国記小野不由美読み終わった再読中7/2再読。 一度読んでわかっているとはいえ、祥瓊と鈴の話はイラッとするんですよね。それだけ人が変わるためには多くの経験が必要だということで、下巻の展開を考えれば然るべきなのでしょう。でも、月影ほどではないけど読むのが辛い! 楽俊の存在が救いです。 即位式の後の延王尚隆の「政は頼りになる官が見つかるまでが苦しい」を陽子が実体験する話でしたが、陽子が延王に即位したばかりの頃は大変だったか尋ねていたけど、先に『東の海神〜』を読んでいたので雁の方が相当大変だったのがわかるし、そこをさらっと「まあな。」で流す尚隆がカッコ良すぎです。
- 2025年6月26日読み終わった再読中6/26再読。 『東の海神〜』はシリーズの中でも好きな話なので割とサクッと読み終えることができました(魔性の子や月影上巻、白銀あたりは読むスピードが遅くなる)。 冒頭の折山の荒と言われる雁州国を見ながら交わされる会話が尚隆と六太の関係そのもので、このまま500年が経つんだなと思うと感慨深いです。 初読時の感想と同様、尚隆という人の生き方に個はなく、国のために生きるのが当然だと疑問なく思う様子への怖さはあれど、小松の国や民を失ったことを今も忘れず後悔を抱えて生きていて、その全てを抱えてなお、冒頭の荒廃した国土を前に尚隆の反応を不安に思う六太に笑ってみせる尚隆さまが大好きですね。 そして、『黄昏の岸 暁の天』のラストで六太が陽子に言う「人を助けることで、自分が立てるってこともあるからさ」というセリフは、まさに六太が尚隆に思い続けていることだと思います。 最後に、作中の「正義を語る者が必ずしも全く正義の者ではない」は、今のこの世の中にも当てはまることでとても印象深い一文です。
- 2025年6月24日本のある生活 BIBLIOPHILIC BOOK 本と道具の本どむか,パンス,ナインストーリーズ,リアン・シャプトン,BIBLIOPHILIC,Leanne Shapton,Okadada,Riverside Reading Club,中村秀一,今泉泰輔,作原文子,内沼晋太郎,古川耕,クラフト・エヴィング商會,多屋澄礼,大八木孝成,安村正也,安田謙一,小田原のどか,小田雄太,小谷実由,山下陽光,山崎まどか,山本多津也,川原瑞丸,後藤護,押野素子,持田保,松永良平,林央子,水上文,永田希,池澤春菜,牟田都子,牧奈央子,生きのびるブックス,相田智之,花田菜々子,若林恵,野中モモ,阿久津隆,須藤謙一,髙城晶平気になる
- 2025年6月23日風の海 迷宮の岸(下) 十二国記小野不由美6/22再読。 白銀まで全部読んでからこの下巻を読むと、頭の中に色々な感情が湧き上がってきますねぇ。 とりあえず、WH版P.30の「戴国の民は気性が激しいので有名だった。本来ならその気質は麒麟の中にも流れているはずだが、なにごとにも例外というものはある」がシリーズ全体のフリだったなというのが一番の感想です。 延王を主役にした小芝居、あれ、景麒が雁まで行って相談したら延主従がノリノリで企画したんでしょうねぇ。
- 2025年6月23日風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記小野不由美6/21再読。 白銀まで全部読んでから『風の海〜』を読むと、泰麒が可愛いけどこの後を思うと辛いの繰り返しでした。 『月の影〜』が異界から連れてこられて王になるまでの話なら、『風の海〜』は異界から連れてこられて王を選ぶ話で、この2つを読むと常世の世界にいきなり連れてこられて国の命運を握る大役を押し付けられた二人を通じて王と国、麒麟と王、麒麟と天の関係が説明される、いわば十二国記の基本設定を解説してくれるお話です。 上巻はとにかく景麒と泰麒のやり取りが好き! 小さい子の扱いに慣れていない平常運転の景麒が女仙達にめちゃくちゃ小言を言われていて笑ってしまう。 泰麒の前は景麒が20年以上蓬山公だったはずなので、そりゃ女仙達も泰麒を甘やかすよねと納得でした。
- 2025年6月23日
- 2025年6月23日
- 2025年6月17日月の影 影の海〈下〉 十二国記小野不由美,山田章博読み終わった再読中6/15再読。 下巻は今回も一気に読みました。 陽子、本当に上巻の辛いあれこれを乗り越えて強くなった。ミュージカルPVに「ぜったいに負けない」「強くなりたい」を選んだ公式GJ! 小野先生がガイドブックのインタビューで下巻の陽子に至るために辛い体験が必要だと仰っていたけど、改めて読んで納得しかありません。 二度目でも楽俊が本当に良い人、いやねずみ(?)で、障りがあるあの場面は本当に好きだし、延王尚隆が登場シーンからカッコ良すぎるし、延麒六太がまだ陽子に心を許しきっていなくて、でも可愛いなとか、景麒が囚われの姫だなという感想に変わりはないけど、今回一番わかるな〜と思ったのは塙王でした。人間誰しも持っている気持ち、扱い方を間違えるとこうなるんだな、と。塙麟がただただ気の毒。 読む度に新しい発見がある、多くの人が人生のバイブルという理由がわかる気がします。
- 2025年6月17日月の影 影の海〈上〉 十二国記小野不由美,山田章博読み終わった再読中6/15再読。 二度目なので先が見えている分初読の時ほど辛くはなかったけど、それでも上巻は読むスピードが上がらないですね。 蓬莱に迎えに来た時の景麒が不審者過ぎて、あれはどう考えても陽子の対応が普通だろうと思いつつ。廉麟も蓬莱に麒麟がいるのが当たり前と思っていそうだったからああなるのだろうか。 陽子が妖魔を切り刻んでみたけど臭いがダメだったのくだりで、ダンジョン飯の皆さんなら食べられる程度になんとかしてくれそうと思ってしまった。
- 2025年6月10日魔性の子 十二国記小野不由美再読中十二国記を全巻読んでから再読。 全てを知ってから読み直す『魔性の子』は初読の時とまるで違う印象でした。 作品の時間軸としては『魔性の子』ラストから『黄昏の岸〜』ラストを経て『白銀〜』に突入だと思うと色々辛い。でも、『白銀』の泰麒を造ったのはこの時の経験なんですよね。 とりあえず、冒頭広瀬が出てきた時にめちゃくちゃ感謝しました。
- 2025年6月10日
- 2025年5月31日積ん読の本石井千湖気になる
- 2025年5月24日
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