
巽
@Tatumi
2025年4月16日

読み終わった
この夫人をくびり殺して
捕はれてみたし
と思ふ応接間かな
殺すぞ!
と云へばどうぞとほほゑみぬ
其時フツと殺す気になりぬ
春の夜の電柱に
身を寄せて思ふ
人を殺した人のまごころ
白い乳を出させようとて
タンポポを引き切る気持ち
彼女の腕を見る
抱きしめる
その瞬間にいつも思ふ
あの泥沼の底の白骨
真夜中に
心臓が一寸(ちょっと)休止する
その時にこはい夢を見るのだ
埋められた死骸はつひに見付からず
砂山をかし
青空をかし
幽霊のやうに
まじめに永久に
人を詛ふ事が出来たらばと思ふ
誰か一人
殺してみたいと思ふ時君一人かい…………と友達が来る
毒薬と花束と
美人の死骸を
積んだ
フルスピードの
探偵小説
31文字で出せる火力ではない
すごい好き
唯一無二の世界観すぎる
