猟奇歌 夢野久作歌集 (中公文庫)

10件の記録
- 巽@Tatumi2025年4月16日読み終わったこの夫人をくびり殺して 捕はれてみたし と思ふ応接間かな 殺すぞ! と云へばどうぞとほほゑみぬ 其時フツと殺す気になりぬ 春の夜の電柱に 身を寄せて思ふ 人を殺した人のまごころ 白い乳を出させようとて タンポポを引き切る気持ち 彼女の腕を見る 抱きしめる その瞬間にいつも思ふ あの泥沼の底の白骨 真夜中に 心臓が一寸(ちょっと)休止する その時にこはい夢を見るのだ 埋められた死骸はつひに見付からず 砂山をかし 青空をかし 幽霊のやうに まじめに永久に 人を詛ふ事が出来たらばと思ふ 誰か一人 殺してみたいと思ふ時君一人かい…………と友達が来る 毒薬と花束と 美人の死骸を 積んだ フルスピードの 探偵小説 31文字で出せる火力ではない すごい好き 唯一無二の世界観すぎる
- 窓鬱雨@madoutsuame_4782025年4月7日読み終わった青空文庫様様 初夢野が詩集でどこかしら歪まないか不安だけど、結構面白かった 最初は中二病か?と思ったけど、読めば読むほど死ということを考えすぎた人なんだなというのが伝わってきて… 夢野に根強いファンが多いのがどうしてかわかる作品だと思った