
花春
@haru-tuge
2025年4月17日

間の悪いスフレ
近藤史恵
読み終わった
この作者さんの、誰もがもつ繊細さに丁寧に焦点を当てて、料理を通してそこに寄り添う描き方が好きだなあ。
どこの料理?どうしてその料理が愛されているのはこういう歴史があって…の、土地と文化に根付いた料理解説も楽しい。
読んだあとに、その食べ物を食べてみたくなるお料理小説はよいよねえ…。
ビストロ・パ・マルシリーズの4冊目、読みやすいコージー・ミステリーで連作短編集。
表題作の「間の悪いスフレ」と「クスクスのきた道」が、とても良かった…。
差別に対する言語化の難しい恐怖と忌避感、好きなものをそう感じてしまうつらさ、少女の多感とそれをうまく読み取れない父親の対比、どれも「そうだよねえ」と頷かされるリアルさで、でも、その繊細さに寄り添えるひとがいるという希望も提示されていて。とてもよかった…。

