
サリュウ
@sly_notsry
2025年4月18日

A3(下)
森達也
読み終わった
"もしもあなたが夜道で背中を刺されたとする。幸い傷は軽く、犯人も数日後に捕まった。でもなぜ犯人が自分を刺したのか、その理由がわからないまま裁判は終結した。ならば不安と恐怖はその後も続く。自分がなぜ刺されねばならなかったのか、犯人が誰かと自分を間違えたのか、あるいは自分でも知らないうちに犯人の恨みをかうようなことをしていたのか、それともまったく別の理由なのか、それがわからないうちは、怖くて夜道を歩けなくなる。
それはまさしく、地下鉄サリン事件以降にこの社会が陥った状況だ。"
p.322-323
この本の内容と関係あるような無いような感慨だけど、死刑というのは「あなたと共に生きたい人はこの世界のどこにも、ひとりもいない」「だれもあなたと同じ時代を生きようとしていない」と宣告する刑でもあるんだなあ、と、終盤部分を読みながらふと思った。

