
ハム
@unia
2025年4月18日

暗闇のなかの希望 増補改訂版
レベッカ・ソルニット,
井上利男,
東辻賢治郎
読み終わった
〈絶望は私たちに多くを要求しない。絶望はより予測が容易で、悲しむべきことに、安全である。本物の希望は明晰さと想像力を要求する。この世界の問題を見つめる明晰さと、その状況の背後に、不可避でも不変でもないものがある可能性を見出す想像力だ。〉
〈絶望はイデオロギー的な立場ではなく、習慣や反射的な反応だということかもしれない。〉
この本を読んで、なぜハラリの「Nexus」の読後感が希望の書なのに絶望を想起させたのかわかった気がする。
でもそうした絶望こそが希望が生まれる場所でもある。
舞台のスポットライトが当たる場所だけを見ていても本質を捉え損ねてしまう、その周縁にある不確かで見えないものにこそ意識を向けていけたらと思う。
希望は盲目的な期待ではなく、現実の暗さや困難さを正面から見据えたうえで、それでもなお、別の可能性を思い描く力だと言うのはそれこそソルニットによってひとつの光が与えられたかのようだった。
〈世界を変えるストーリーが生まれているのは、無視するように促されてきた場所、あるいは見えないものとして扱われてきた場所だ。〉
最近読んだ永井玲衣さんの著作とも結びつくなと感じた。
語られないもの、小さな声やモノなどの集積を大事にしていきたい。


