
opsun
@gomi_atsume
2025年4月18日

BUTTER
柚木麻子
読み終わった
読了。
食べ物描写が魅力的!というレビューを見かけて手に取ったけれど、個人的には食べ物の描写はわりと平易に感じた。
もしかすると、私自身思考が拡散的で料理をする機会か多いからなのかもしれない。料理を食べている時の心地良さって、知らない味の深さの所以に触れることや、自分でも作りたい!という創作意欲、他人の作ったものに触れる実感、のようなものが強い。なので、最後のチキンが一番舌が踊った。
どちらかというと、そういった食よりも根深く残るルッキズムや親子のこと、あるいは家族といる中で否応なく発生する自責、苛立ち、多面性、タイミング、距離感などの描写がとても良かった。腹の中でじっくりと煮込まれていくような感覚。最初は伶子にかなりヒヤヒヤしたけど、どの人をとっても「なにかがひとつ違えば、自分もこうなっていたかもしれない」という隣り合わせの感覚があった。
随所でモチーフとして使われているバター、ちびくろサンボなどについては、正直まっったく噛み砕けなくてぬるっと通り過ぎてしまっている。


