蛸足配線
@nekoai30
2025年4月19日

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一人暮らしの部屋でスムーズに夕食を用意する程度の段取りはできる筈の芦川だが、仕事においては殆ど無能である。弱さを印象づけ、他の社員に仕事を押し付けて帰宅する。しかし愛想の良さで許容されている。人から許されるための能力だけを磨き続けた芦川に二谷が軽蔑まじりの欲情を向けるところがとても生々しい。会話で対等に渡り合える押尾より、常に「弱者」で居てくれる芦川に性的に惹きつけられる二谷の女性観は、古典的昭和オヤジとして描かれる藤さんと本質的には大差ないように思える。二谷の方が自身の蔑みに自覚的なぶん屈折しているものの。